[PR]

 国の天然記念物で、イモ洗い行動をするニホンザルの生息地として知られる宮崎県串間市の幸島(こうじま)周辺に砂が堆積(たいせき)し、対岸と陸続きになった。市は、サルが歩いて「離島」するのを防ぐため、9日から監視員による見張りを始めた。

 周囲約3・5キロの幸島には現在約100匹のサルが生息する。島と対岸の間は200~300メートル離れ、最大水深5メートルほどの海が隔てている。京大野生動物研究センター幸島観察所などが観察を続け、60年以上に及ぶ「家系図」があり、全て個体識別されてきた。

 幸島観察所や市によると、例年北側の石波海岸から冬場の風で運ばれた砂が幸島周辺にたまるが、夏から秋にかけての台風が海岸方面に押し戻すというサイクルが繰り返されてきた。

 しかし昨年宮崎県を襲った3回の台風では砂が十分に押し戻されず、冬ごろから幸島と陸側の距離が徐々に縮まってきたという。3月中旬の大潮の干潮時には歩いて行き来できるようになった。

 こうした事態に串間市は、サル…

有料会員に登録すると全ての記事が読み放題です。

初月無料につき月初のお申し込みがお得

980円で月300本まで読めるシンプルコースはこちら