4月になり、大学生になった方は高校までの授業と大学での講義の質の違いに驚かれているのではないでしょうか。
大学講義は、講義スピードも速く、90分の1コマに詰め込まれる情報量、踏み込んでいく学問的深さは、高校授業とは比べものになりません。
これだけでも十分面食らってしまうわけですが、さらに大学生の頭を悩ませるのが「課題レポートの存在」です。
もしかしたら高校時代にレポートに触れたことがあるという方もいるかもしれませんが、大学におけるレポートは、高校までのそれとは求められる内容から形態まで異なるため、注意が必要です。
そこで本日は、大学の学びと切っても切れない関係にあるレポートについて、
- 大学でレポートが課される理由
- 高評価を受けるレポートの構成例
- それぞれの段階におけるポイント
をまとめてみることにします。
質の高いレポートを正しく作成する能力は、講義内で高評価を受けるだけではなく、その後の未来を切り開くことにもつながります。ぜひ大学でのレポート作成時には、ここで紹介する手順を追ってみてください。
なお、ここで紹介するレポート作成術は、基本的に文系・理系関係なく利用できると思っていますので、これから大学での講義が始まる多くの学生のみなさんがレポート作成の際、参考にしていただければ幸いです。
筆者とレポートの深い関係
ここは私の簡単な経歴ですので、レポート作成術だけを知りたい方は読み飛ばしてください。
私は、大学院時代にTA(ティーチングアシスタント)として、教授の指導のもと、大学生のレポート採点を行った経験があります。私がTAとして付いたゼミの教授は、非常にレポートを重視した講義展開をされ、ほぼ毎週の講義でレポートを学生に課していました。そのレポートの採点に私も加わったわけですが、本日紹介する「大学教授に評価されるレポート書き方術」の基礎は、このとき教授に指南していただいた内容になっています。
私自身、この教授の影響を色濃く受けたこともあり、現在研究職として給料をいただいています。
そんなわけで、日々レポート作成が仕事のような毎日を送っているのですが、仕事としてレポートと向き合う今でも、大学院時代に学んだレポート作成術のノウハウを大切にしています。
また、当ブログでも『レポログ|日々感じたことをレポートするブログ』とタイトルを付け、レポート形式を意識した記事展開を行っています。
そんなレポートととは切っても切れない人生(嫌な人生ですね)を送っている私がTA時代に学んだことから自分なりに進化させてきたレポート作成メソッドを、本日は惜しげもなく伝えていければと思っています。
それでは、さっそく評価される大学レポートの書き方を紹介していきます。
大学でレポートが課される理由
まず、大学での学びが高校までの勉強と異なる点はどこにあるのか考えてみてください。ここに、評価されるレポートのヒントが隠れています。
「問題解決力」を身に付けさせたい
大学での学びには、高校時代のように大学受験というゴールがあるわけではありません。では、何がゴールになるのかいうと、そのゴール自体、自分自身で設定していくことになるのです。
その過程で大切なことは、自分自身で課題を見つけ、その課題を解決する力であり、この力は一般的に「問題解決力」と呼ばれる能力になります。
そして、この大学での学びの本質を手っ取り早く具現化して学ぶ手法こそ、レポートを作成させることなのです。
そういう意味で、自分自身の興味・関心から問題を設定してから、解決するプロセスを書き上げていけば、なんとなくレポートとしての体裁は整うはずです。
「記録力」を身に付けさせたい
さらに、大学教授によっては、レポート提出をかなり実務的に捉えている方も多く存在します。
実務的とはどういうことかというと、レポート作成を通じ、大学の高学年になると展開される研究への姿勢を学ばせていく学びのスタンスです。
研究の多くは、一人で行うことは少なく、複数名のチームで行うことが一般的です。
自分以外の誰かと共同で研究にするためには、自分の考えたこと、実践したことを細かく記録する必要が生じるのです。
こうした研究の特徴を踏まえれば、レポート作成においても、読み手(共同研究者)を想定し、式や言葉の行間を埋め、飛躍せず、余計なことを付け加えないことが求められるというわけです。
以上の理由により、「問題解決力」があり、そのプロセスを正確に「記録」したレポートは、高評価を獲得することになるわけです。
と、かなり抽象的な言い回しも多いため、続いて
- レポートの構成例
- レポート作成時の注意点
について具体的に紹介していくこととします。
評価されるレポートの構成例
レポートとは、問題解決プロセスを正しく記録していく手法であることを上では述べましたが、では、問題解決プロセスとはどういった手順を踏んでいけばよいのでしょうか。
実は、問題解決には、ある決まった手順が存在しています。
問題解決の手順については、この本が非常に分かりやすくそのプロセスを紹介しています。
この本で紹介されている問題解決プロセスは、あくまでビジネスシーンにおける手法ですが、全く同じプロセスを踏むことで、高評価のレポートを作成することができるのです。
ビジネスにおける問題解決プロセス
まずは、本書で紹介されている問題解決に向けたプロセスを紹介します。
出典:新人コンサルタントが入社時に叩き込まれる「問題解決」基礎講座
ビジネスシーンにおいて問題を解決するには、この6ステップを踏んでいくことで解決策を立案していくことができるわけですが、この6ステップはレポート作成でも有効です。
レポート作成におけるプロセス
このプロセスこそ、私が大学院時代に教授から学んだレポート作成術になるわけですが、先ほど紹介した書籍内の問題解決プロセスと非常に似ていることが分かります。
レポート作成においても、この6ステップを項目として並べ、順に行動し、文章化していくことで、高評価を得られるレポートは完成するはずです。
高評価されるレポートの構成とポイント
以下では、各項目のポイントを紹介していくことにします。
①動機
レポートでまず書くべきことは、課題設定の動機についてです。
「いや、動機って言われても、やれと言われたからやっているだよ。」と考えてしまいがちなのですが、高評価を獲得するためにはこの書き出しが非常に重要です。
私がブログ内で書いたこちらのレポートも、冒頭は「動機」を明確にしていくことから書き始めています。
例え、教授に課題内容を設定されたとしても、あたかも自分自身がこの分野に興味を持ち、課題を見つけ出したかのような「動機」を入れ込むことで、課題を自分自身の問題と捉えていることを強調することができます。
「やれと言われたからやりました。」というスタンスと、「自分自身が興味をもって取り組みました。」というスタンスでは、同じ結果が記されていたとしても後者の評価のほうが高くなります。
ぜひ課題設定の動機をレポートの冒頭に書き入れていきましょう。
②課題の明示
この項目では、教授から出された課題を記す部分になります。
その際のポイントは、できるだけ端的に課題を表現することを目指します。課題を端的に、かつ明確に表現することを心掛けることで、自分自身も課題の目標がはっきりしていきます。
③結果の予想
この課題の予想を項目として入れ込むことも、高評価を得るための重要なポイントです。
いきなり図書館やネットで探し当てた該当課題の解決策を書き始めては、ただ調べただけのレポートになってしまいますし、そんなことを教授は望んでいません。また、そうしたレポートは見る人が見れば一目両全です。
課題テーマによっては、結果予測が困難な類のものもありますが、その場合は、こうすれば解決に導けるのではないかという解決手法の予想をするだけでも構いません。
大切なことは、予想するという項目を入れ込むことにより、主体的な視点が加わることなのです。
④分析
この項目がレポートの主目的になることが多いと思います。
理系レポートであれば、実験や証明などになりますし、文系レポートであれば、実際に調査を行ったり、文献を漁ったりすることになります。
低評価のレポートでは、いきなりこの部分から記載が始まり、それもネットや書籍で調べたことをただただコピーした文章や式が並んでいることが多いです。
調べることは非常に大切ですが、特にインターネットの情報には間違っている情報も多く含まれていますので、できるだけインターネットに頼らない分析を検討しましょう。
⑤&⑥まとめと考察
まとめと考察は、順序が逆になる場合もあります。
- まとめ→考察
- 考察→まとめ
順番は、レポートの締め方がしっくりくる方を選択すればいいと思います。
考察項目でのポイントは、分析によって得られた結果を疑うことが重要です。
上の記事では、因果推論の難しさを統計的な視点で述べていますが、これは文系レポートであったとしても必要な視点です。
また、与えられている条件を緩和できないかを考えていくことも大切な考察ポイントになります。
多くの課題では前提となる条件があり、現象を分析していくことが多くあります。(例えば、変数は正の整数など)
この前提条件を緩和できないか検討していくことは、学問的に非常に重要で、例え解決策が見つからなかったとしても、考察で取り組んでみましょう。これにより新しいレポート課題が生まれ、これは自分自身の真の課題につながっていくわけです。
まとめについては、自分自身がここまでの過程で書き上げてきたレポートを要約すればいいわけです。考察の結果、新しい課題が生まれた場合も、ここで記載していきます。
参考文献・引用元
レポートで、書籍を参考にした場合やネットの情報を使用する場合は、必ず参考文献や引用元を最後に明記しましょう。
レポート作成を通じ、問題解決力を高めよう
本日は、大学のレポート作成時にどうやってレポートを書いていけばいいのかについて私なりの方法を紹介してきました。
ここで紹介した6ステップを項目として、書き上げていけば必ずや良い評価につながっていくはずです。
ただ、個人的にはレポート作成の目的が、高評価を獲得することになるのではなく、思考葛藤のきっかけとして活用してもらえたらと考えています。とはいえ、今回の6ステップを踏んでいけば、おのずと思考葛藤のステージにさらされると思いますが。
この記事が、どれほどの大学生の目に触れるかは分かりませんが、大学のレポート作成時に参考にしていただき、真の学びへの足掛かりになってくれたらこれほど嬉しいことはないと思っています。