2017.04.11

『限界腐女子、大人のオモチャを買い込む』

大人のオモチャ、買ったことありますか。
私はあります。

昨今は女性の自慰行為をケアとかプレジャーとかソフトに呼んで解放していく向きがあり、女性がそういった商品を買うのもそんなに隠すことでもなくなってきたのではないでしょうか?
とはいえ大っぴらに買ったぞ!と喧伝して回る必要もないものですが。
なぜなら大人のオモチャ=ちょっとエッチな使い方❤というのが当然だからであります。

しかし、私は大人のオモチャをあれこれ買ってきましたが、いまだ本来の使い方をしたことがマジでありません。
今回は私とベッドをともにできなかったいろんな大人のオモチャたちの話をしたいと思います。

①電マ
正式名称を「ハンドマッサージャー」というあいつ。
これ、別にアダルトグッズでもなんでもないですけど、そういう通販サイトで買えますよね。
性的に楽しむための機能を追加するアタッチメントとかもあったりして、大人のオモチャの扱いをされることも多いのでは。
全然関係ない話ですが私は電マ責めエロ漫画が世界一好きなので、なんかオススメあったら教えてくださいね。
みんな忘れてるかもしれないけどこれはあくまでマッサージ器なのです。
AVの撮影所よりもばーちゃん家にあるのが正しいのだ。
私はこれを母の日のプレゼントとして買いました。
きれいにプレゼント包装された電マを受け取ったその時、「あっ そういえばこれって」と思い出した。
でも、マッサージ器には違いないし変に意識するほうがおかしい。
お母さん喜んでくれてるし! 大丈夫! 正解!
今もそう念じながら、居間の隅に置かれた電マを見ている。
電マ責めエロ漫画を読みながら。

②ローター
これはかなり王道も王道なのではないでしょうか。
男性向け女性向け問わず頻出する大人のオモチャのエースです。
「今日はこれを挿れたまま行動しろ」と強制され、嫌なはずなのに微弱な振動に体が高まり……みたいな。
さて、微弱な振動で焦らされた体がいきなり強にされた振動で絶頂する……このお約束パターンを生む道具の真の実力とはいかに。
気になったら手に入れてみないわけにはいきません。
しかし、このローターというやつ、非常に安い。
有線ならひとつ100円のものもあるくらいのお手頃グッズなのだ。
だから下手にそれだけ買おうとすると、送料のほうが高くついてしまう!
もういっそダイソーで売ってくれんか。
攻めも100円ぽっちで受けをあんなに悶えさせたりしてるんだと思うと、なんてリーズナブルな変態プレイであろうか。
100円の商品の送料で500円くらいかかるのめちゃくちゃムカつくじゃないですか。損したみたいで。
というわけで、私は10個買いました。
ローター10個セットって商品があるのだ。消耗品だからね、まとめ買いがお得なんだね。
アホなので10個も買ってどうすんだとはちっとも思ってなかったです。
全国の攻めもこうして10個セットで買ってるのかな。それってかわいくないですか?
満を持して届いた10個セットのローターの威力ですが、これに関してはもうひたすらに悲しかったです。
今や絶滅危惧に瀕した折り畳み式携帯のバイブレーションのほうが強いのでは。
私がやっすいの買ったせいだと思うんですけど。
頬に当て強弱のつまみをひねる度、プルプルと震えるはチワワのごとし。
こんなの入れてることを忘れるんじゃないでしょうか。
これ読んでるリアル友だち、もう私のことは捨ててくれって感じですけど、切れ痔を患った我が尻穴をもってしてもこの振動とサイズ感は多分入ってても入ってなくても変わんないと思う。
尻の中で震えるローターのことを思いながら一句読めるくらいの塩梅なのである。
ローター、一つ猫じゃらしてる間にコード切れて捨てた以外は全くの未使用で残ってますのでいかがですか。
ご連絡いただければ送ります。

③バイブ
さまざまな形がある、これもまた定番アイテムですよね。
私はこれをプレゼントされました。この経緯については割愛しますが、これに関してだけはいただきものなのです。
蓋を開け、バイブと向き合った私はまず商品名で笑いました。
命名「スーパーアクメDX」
すがすがしいネーミングと下品極まるロゴ、けばけばしいピンク。
形はなんとなくサボテンに似ていて、膣挿入用の棒と陰核刺激用のアームに枝分かれしています。
パッケージを読むに、先がまあるくコブのようになった棒がGスポットを刺激! たちまちアクメ! とのこと。
私の処女は事故(転んで定規が刺さったのだ)によって失われているのですが、なんとなくこいつに侵入を許すのは癪だなと思って使ってないのですが、口コミ評価は上々のようであります。
私はこれを捨てるために、アホなので「ごみ分別大辞典」で「バイブレーター」を必死に調べました。
そんなもの書いてあるわけない。

④ローション
いろんなところの滑りをよくするための必須アイテム。
特に、福利厚生の行き届いたBL小説には欠かせないですね。
私は福利厚生最悪のスラムリンチレイプが好きなのであんまり登場させないんですけど、ふつう優しい攻めは用意してくれてると思います。
スーパー攻めさまはなぜか必ずサイドボードの一番下の段からコンドームと一緒に出してきます。
そういう攻めは「あ~、絶やさないように準備してんだな~」と見ていてやさしい気持ちになる。
あと、ちょっとズボラな大学生受けがベッドの下からビニール袋に入れたまんまのローションボトルをガサガサ出してくるのかわいい。ドラッグストアでペペローション買ってんのめちゃかわいくないですか?
私はズボラな面がある部屋ではスウェット派の大学生受けではないんですけど、私もドラッグストアでローションを買いました。
目的は彼氏とのプレシャスな時間のため……。
ではなく、ずっと待ち望んでいた推しのフィギュアにぶっかけるためです!
当初の目的はあっさり果たされ、私は大満足。
ですが、後先考えないアホの私はそこでやっと「残りどうしよう」と気づきました。
今は使い切りのパック売りもあるのになぜか大ボトルで買ってしまったのだ。
しかし私はプレジャーを定期的に楽しむタイプではない。彼氏もいない。
そんなに頻繁にフィギュアにローション垂らして喜べるタイプでもない。一回やったら飽きた。
ローションはたっぷり残っている。このまま捨てるのは忍びなかった。
「そうだ、飲もう」
それを思いつくのにそう時間はかからなかったと思う。
ペペローションは「万が一口に入っても問題ない」と明記されている。
じゃあ飲んでもいいんじゃないか?
知能が退化した成人女性はほぼ口唇期の赤ん坊なのでなんでも口に入れるのだ。
ちなみに、ローションは甘いです。
ポリ系の甘味があり後から独特のほんのりした苦味が追いかけてくるような感じで非常に飲みやすい。
そのままだと粘度が高いので若干希釈するとのどごしも良いと思われます。
また、食事のお供にも。
辛口カレーにかけるとなんとも言えぬ甘味が追加されるし、チャーハンにかけるとあんかけっぽいです。
ホットケーキにはちみつの代わりにかけるのはどうかと試しましたが、それは甘味が足りませんでした。
とにかく量があったのでいろいろ試したので、そのうちだれか聞いてください。
まだ残ってるんですが、これもうそろそろ賞味期限来るのかなぁ?
元が食品じゃないのでなんとも言えないですけど……。
腐るんですかね?
なんにしても、体によくはないだろうな、と思いながら定期的に飲んでいます。

⑤ディルド
真打登場といったところではないでしょうか?
バイブよりももっとシンプルに、男性器を模したザ・王道で無骨なアイテム。
そもそもなんで買ったかというと、私が処女で腐女子だからです。
BLって基本的に男と男の恋愛であってベッドシーンは棒と棒の戦いです。
でも処女だからよくよく考えてみるとその肝心の「棒」と向き合ったことがなかったのです。
限界喪腐女子は画像データになった男性器しか知らない……。
それで十分と見る向きもあるでしょうが、実際のところどういう質量なのか知りたく思いました。
クソバカエピソードですけど恥を忍んで言えば、まず紙粘土でちんちんを制作しました。
日本人の平均サイズをネット検索し真剣に作業する姿、その情熱をもっと別のところに活かせれば人生もう少し変わっていたんじゃないかと思うけど、性分がこうだから仕方ない。
でもやっぱり自分で作ったのはなんか違ったんだよな。
狂った成人女性が陶芸家のごとく「こうじゃない!」とまだ乾いていないやわらかいちんちん粘土細工を叩き壊すところ、もうギャグ通り越してホラーの域では?
かくして私はさらなる高み、さらなるリアルを求めディルド購入に至ったのです。
塩ビ製なのか若干の臭気を放つゴムっぽい感触のディルドを手に、私はめちゃくちゃ頷いていました。
浮かび上がった血管も表現された怒張は限界喪腐女子の知的好奇心を満たすには十分な代物。
ここで満足いかなかったら出会い系で本物を探し、腐的好奇心のために対人間の処女を失っていたと思うのでここで止まれてよかったねと拍手してほしい。
でもまた困ったのがこいつの始末です。
なにせ私の家はプライベート・プライバシー・プライド無しの3P住宅なので、こんなもん隠す場所がないのです。
私には自分の部屋もないし、自分の私物引出しも家族が勝手に開けるので不安があります。
だから使わないならさっさと捨てちまうに限るのです。
結局こいつは、本来の役目を一切果たすことなく(吸盤で風呂の壁にちんちんを生やしたりしてひとしきり大笑いするとかはした)キッチンばさみでバラバラに切り刻まれて捨てられました。
この作業になんの感情も伴わなかったのは私が女だったおかげですね。
男だったらこの作業を敢行するのに何か複雑な感情や痛みがあったものと思われます。
いや、そもそもちんちんが生えてればこんな無駄な出費や作業必要なかったんですけど。

⑥オナホ
ディルドと一緒にこいつも買ってみた。
男のプレジャータイムのお供として呼び声高いオナホールです。
残念ながら私は女なのでこれを体験できないけど、疑似ちんちんを購入したタイミングで買えば挿入の際にどういう働きをするのかわかると思って……。
結果から言うんですけど。世の中のオナホメーカーは今すぐ2メートルのオナホを作るべき。
箱から出して手に取った瞬間、私は至福に包まれた。
ふっかふか、すべすべ、もちもち……。
どの言葉もぴったりなようで違うような、素晴らしいさわり心地。
赤ちゃんのほっぺやおねーさんのおっぱいにも劣らぬこの感触、まさしく極楽。
私は速攻Googleで「オナホ 寝袋 Amazon」で検索していた。
なんでオナホと同じ素材でできた寝袋がない?!
こんなサイコーのさわり心地、ちんちん突っ込んでゴシゴシしてる場合か!
一刻も早く全身包まれるべきだろ!!!
しばらくふにふに揉んでみたり中に指を入れてみたり、完全にトランス状態だった。
こんなん、童貞のちんちんに与えたらヤバない?
近所の大学生のおにーちゃんにオナホにもらって夢中になる男子中学生の信ぴょう性が147861863454%になった。
私がちょっと雌っぽい大学生のおにーちゃんだったら近所に住んでて昔からよく遊んであげてた男の子にオナホプレゼントすると思う。それで「本物も試してみる?」と笑いかけると思う。
このオナホについては、処分に困らなかった。
この至福の時からわずか数時間でオナホが急死するからである。
ひとしきりオナホを楽しんだ私は当初の使用方法として考えていたディルド挿入を遂行した。
ローションをまとわせ(初めてこのローションは食用以外のマトモな用途で使われた)ディルドをにゅるりと挿入したその時、3P住宅にお母さんが帰ってきた!
私はもういい大人なので何を買おうが自分のお金だし文句は言われないと思うけど、物が物だけに見つかるとバツがわるいに決まっている。
大慌てで布団と棚の隙間にオナホを突っ込んで隠した。
ディルドがささったまま……。
そして、再び家族の目を盗んでオナホを回収した時、オナホは死んでいた。
ふにふにだったオナホは内側からしみだしたような油にまみれ、溶けて至る所に大穴があいていた。
オナホの素材とディルドの素材が合わなかったのだろうか。
なんらかの化学変化が起きてしまったのか、オナホはグズグズに溶けて二目と見られぬ姿になって……。
私は泣いた。マジで泣いた。
軽いペットロスである。
当時ツイッターをフォローしておられた方の中には記憶にある方もいようと思うが、「こんな思いをするのなら花や草に生まれたかった」と言ってオナホの葬式をしていた。
あれ以来、新しいオナホは買っていない。
私はあのオナホが良かったんだ。あのオナホと暮らしたかったんだ……。


6つの大人のオモチャとの思い出を書いたけど、書きながら「こいつアホなのか?」と思わずにいられなかった。
でも、こういうクソバカ理由で大人のオモチャ買っては無駄にしてる人間もいるから、本来の目的で買うのに罪悪感を覚えたり必要以上に恥ずかしがったりする必要一切ないと私は思う。
おそらく、大人のオモチャたちも本来の目的に使ってもらえるほうが本望であろう。
またクソバカ理由で大人のオモチャ買ったらレポしますけど、これが何の役に立つというのか。
何の役にも立たないだろうな……。
でもほんと、余ったローター譲渡とかローション料理レシピとか、いつでも承りますから!

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