正直言うと、Google社員が羨ましい。
大学みたいに広々としたオフィス。
遊び心に溢れた仕掛け。
無料で使えるカフェと食堂、昼寝スペース。
会社員でありながら、彼らはなんて自由そうなんだろう。
Googleはインターネット時代に無くてはならない「検索サービス」を独占的に提供することで莫大な広告収入を稼ぎ、その潤沢なキャッシュを未来の投資に向けている。
外から見るGoogleは理想の企業だ。
隣の芝は青いと言うが、青い芝どころではなく理想郷のようである。
人生の逆転を賭けてGoogleのインターンに挑戦する中年営業マンの映画観てるんだけど、Google本社のオフィスがイケメンすぎて鼻血出たw pic.twitter.com/mjk37W1Lv0
— ヒデヨシ (@cook_hideyoshi) 2017年4月11日
さて、今日紹介する映画の舞台はそんなGoogleの入社をかけてインターンに挑戦する中年営業マンの話だ。
コメディなタッチで話が進められていくため、観ていて全く飽きない。
ちなみに僕は一度このDVDをTSUTAYAで借りて、その後Amazonで買ってしまった。何度も観たくなる映画だと思う。
主人公のビリーとニックは極めて優秀な営業マンだった。
しかし、アナログ気質な彼らの会社は時代についていけず、倒産してしまう。
営業相手に勤め先を失ったことを告げられるビリーとニック。
家賃も払えず家も差し押さえられ、彼女に振られてしまうビリー。
そんなどん底から彼らの挑戦は始まった。
職を失い、アルバイトを始めたニックの元に駆けつけるビリー。
「グーグルに行こう。カリフォルニアで人生を変えるんだ」
全米一の職場で働こう。
そのためにインターンを受けよう。
ワクワクする人生を送りたいんだと。
社畜のような生活を送るサラリーマンには響く言葉である。
「ワクワクする人生を送りたい」
ほんとそれな!と言いたい。
働いているニックを口説き落として、二人が向かったのはなんと図書館だった。
彼らは天下のIT企業であるグーグルを受けるというのに、パソコンすら持っていない。
だから図書館でパソコンを借りて、オンライン面接を受けるのだ。
オンラインの大学に登録して、インターンの条件である「大学生」という肩書を手に入れたビリーとニック。
「俺はおしゃべりが得意だ」
と、なんと、技術力ではなくトークで天下のグーグル社員を圧倒することで、面接突破を目論む。
この面接のシーンがとにかく面白い。
スキルの項目にある「C++」について聞かれたビリー。
C++はプログラミング言語である。
そんなグーグル社員の質問に対し、ビリーの答えは
「実はC+です」
「C+に不満でもう1個+を付けました」
めちゃくちゃ笑った。
突出したプログラミング能力を持つグーグル社員に対して、大真面目に「C+」と答えるシュールさがたまらない。
この映画はビリーのコントのような会話を中心に進められていく。
ビリー本人は大真面目なのだが、最強企業のグーグルとビリーが懸け合わさることで、絶妙なシュールさを生み出している。
ところどころ笑えて、たまにいいことを言うビリー。
最後まで飽きずに観続けられて、最後はホロリとできる、素晴らしい映画である。
インターンに来ている超優秀な学生たちと競うビリー&ニック。
5人のチームを作るときも、誰も彼らとは組みたがらなかった。
誰にも仲間に入れてもらえない、残った寄せ集めのメンバーで天下のグーグルのインターンに挑むことになる。
200万行のソースコードからバグを探す課題。
C++が何かもわからないビリーとニックはまるで貢献できない。
この課題はプログラムのミスを見つけるしかないと主張する仲間たち。
それに対して、ビリーは
「プログラムを書いたのは人だ」
と言う。
書いた人を探して答えを教えてもらおうと言うのだ。
グーグルのインターンに来るような優秀な学生からは出てこない発想である。
最初は全く団結できなかったチームメンバー達。
明らかにコミュニケーション能力に欠けているように見えた連中だ。
そんな彼らも課題を通じて、ビリーとニックを中心にまとまり始める。
ある日は課題をほっぽらかしてクラブで知らない奴と大喧嘩。
夜を徹してボロボロになるまで飲んで結束を強めた。
快進撃を続けるビリー達。
彼らの間にもはや壁は存在しない。
上下もない。
協力して、目標に向かって邁進する。グーグリネスである。
グーグルの仕事は、人と情報をつなげること。
「世界中の情報を整理し、世界中の人々がアクセスできて使えるようにすること」
これがグーグルの使命である。
そしてその使命の実現のためにグーグル社員が最も大切にするのが、グーグリネスだという。
グーグリネスとは「人と協力することを楽しむ性格、上下関係を意識しない態度、親しみやすさ」のこと。
ビリーとニックのチームはインターンを通じて、グーグリネスを持っていることを証明した。
この映画は最初はバラバラだったチームが、グーグリネスを身に付け、「人と情報をつなげる」というグーグルの使命を実現していく過程を描いている。
映画を通じて、改めてグーグルという会社の偉大さや、その使命の重要さを認識させられた。
掛け値なしに良い映画だったと思う。
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ちなみにこの映画、日本では上映されていない。
海外のレビューサイトでは、
「Googleに入社するために必要なのは、この映画で描かれるようなハートではない。
MBAだ」
みたいなことが書かれていて面白い。