乃木坂46の姉妹グループとして結成された欅坂46。デビュー曲『サイレントマジョリティー』のMVが公開されるやいなや、アイドルらしからぬアジテーションに満ちた内容とそのクオリティーから、アイドルファン以外をも巻き込んだ”現象”となった彼女たちは、同年3枚のシングルをリリース。
そのどれもがオリコン1位の売上を記録すると同時に話題となり、デビューからわずか8ヶ月で「NHK紅白歌合戦」に出場するまでとなった。
もちろん、その成功の裏側にはAKBグループと乃木坂46で培われたノウハウがあるのは間違いないだろう。
そう、彼女たちはアイドル界の異端であると同時に、王道を行く存在である。そこが欅坂46の持つ“新しさ”なのだろう。
そんな欅坂46がこのたび『サイレントマジョリティー』リリースによるデビューからちょうど1年後、2017年4月6日に国立代々木競技場第一体育館で「欅坂46 デビュー1周年記念ライブ」を行った。
それは彼女たちの第1章の終わりと新たな季節の始まりを告げる、ターニングポイントだった。
文:照沼健太 撮影:市村岬 編集:新見直
この日のオープニングを飾った、メンバーがこの1年を振り返るインタビュー映像はこんなテロップで締めくくられた、そしてメンバーがステージに登場し、鳴り響いたのはあのイントロ。
そう『サイレントマジョリティー』だ。スクリーンにはこれまで各所で披露してきた同曲のパフォーマンス映像が投影され、ステージ上ではその最新型が繰り広げられていく。まさしく“1年間の軌跡”が詰まったような演出だ。
こうしたオープニングが象徴するように、この日のセットリストは、これまでにリリースした全26曲をシングルのリリース順に並べて構成した、彼女たちの歩みをそのまま表現するかのような曲順となっていた。
一言で言えば「『サイレントマジョリティー』から『不協和音』へ」だ。
ここで、これまでのシングルから彼女たちの2016年を振り返ってみたい。
※1: 拍の強弱を通常と入れ替え、リズムに変化をつける手法
そして何よりも欅坂46の名を知らしめ、そしてそのイメージを決定づけた、平手友梨奈の鋭い眼光と扇動的かつ両義的なリリックとダンス。
それらが融合した表題曲「サイレントマジョリティー」は、乃木坂46の妹分のデビュー曲として“牧歌的でかわいらしいもの”を想像していた多くのアイドルファンの度肝を抜いただけでなく、ミュージシャンを筆頭に各分野のクリエイターらのリアクションを真っ先に引き出し、広く世間へ話題を波及させていった。
特にMVは欅坂46だけでなく日本のポップにおけるひとつの記念碑的作品であると言って間違いない。
欅坂46 『サイレントマジョリティー』
そしてカップリングには、この後も彼女たちの作品に見られる“演劇的な振り付け”が驚きを持って迎えられた『手を繋いで帰ろうか』、平手のソロによる昭和歌謡シリーズの口火を切った『山手線』、同じく昭和歌謡でもフォークソングを披露するユニット・ゆいちゃんずによる『渋谷川』、欅坂46のリリックにおいて繰り返されるテーマである“コミュニケーションの問題”と“孤独”を象徴する『キミガイナイ』を収録。
そのどれもが今から振り返れば彼女たちの原型となっている、まさに原点といえるシングルだ。
そして、平手と並ぶ人気メンバーであり、“欅坂46の物語”のもう一人の主人公が長濱ねるである。
家庭の事情により一度は欅坂46の最終オーディションを辞退したものの、その後「欅坂46」とはまた違う「けやき坂46」というグループの唯一のメンバーとして特例で加入した彼女は、そうした経緯に引け目を感じ、正規のルートで合格していた他メンバーとの軋轢も少なからず生んでしまう。
そうした背景を秋元康が見事に題材として採用した『乗り遅れたバス』もこのデビュー・シングルに収録されている。
この日のライブにおいては、同曲を披露する前に、長濱ねるがMCをしているあいだに「欅坂に向かうバス」に他メンバーが先に乗り込み、ただ一人彼女が取り残されるという残酷な演出がなされていたが、この“後悔”と“仲間”を巡る物語は、欅坂46を語るに欠かせない“もう一つの物語”としてこの後も続いていくことになる。
そんな状況でリリースされた2ndシングル『世界には愛しかない』は、ポエトリーリーディングを取り入れた、疾走感と開放感にあふれる青春ソングとなった。
ディストピア的世界観を持った『サイレントマジョリティー』の閉塞感から一転、歌詞にある通り歩道橋を駆け上がり目の前に青空が広がったような開放感に満ちた曲ではあるが、大人への不信を忍び込ませたリリックによって、どこか『サイレントマジョリティー』と同じ世界の出来事であるという地続きの物語性が加えられているのもポイントだろう。
そう、岩井俊二監督による映画『リリイ・シュシュのすべて』と『花とアリス』という対極の作品が、同じ世界を舞台とした物語であるように。
そしてやはりこの曲においてもMVは重要な意味を持つ。冒頭の平手による叫びが、この曲に新しい意味を加えた。それは思春期の強烈な痛みであり、自らの性や暴力性への戸惑いであり、衝動だ。
欅坂46 『世界には愛しかない』
また本作収録曲全般において、より強い意志を帯び始めたリリックも特徴と言える。
前作『サイレントマジョリティー』収録曲の多くの歌詞が、どこか断定を避け曖昧な態度をとっていたのに対し、本作の主人公たちは「また会ってください」と言い、遠距離恋愛の彼氏に自ら会いに行き、過去を振り返ることを否定し、ボブディランを返さないのだ。この方向性はこの後のシングルにおいても強まっていくことになる。
そして、長濱ねるを主役とするもう一つの物語も新展開を迎える。それが、メンバーを加えついに活動を開始した「けやき坂46」によるデビュー曲『ひらがなけやき』である。
不安げな転校生である主人公が、新しい制服と新しい出会いに少しずつ心を動かしていく。『乗り遅れたバス』で「できることなら時間を戻し/一緒に行きたかったけど/欅坂向かうバスはもう先に出てしまった」 と後悔を隠さずに歌っていた長濱ねるが、新しい仲間たちと出会ったという美しいストーリーと言えるかもしれない。
しかし、本作リリース前に発表された、長濱ねるの「欅坂46とけやき坂46の兼任」により話はそう簡単にはいかなくなった。それは2つのグループに仲間がいるという見方もできれば、その両方で引き裂かれているとも言える。
欅坂46とけやき坂46の関係性はまだ不透明な部分も多いが、欅坂46が本流であることに間違いはない。きっとそれが彼女の足かせとなることも少なくはないだろう。だが、時間を戻せたならば新しい仲間との出会いは消えてしまう。「もう一つの物語」には、また新たな要素が加わったのだ。
欅坂46 『二人セゾン』
恋と喪失を、そして失って初めて生まれる美があるというこの世界の残酷さを描くことで、生の祝福という普遍にたどり着いた表題曲は、まちがいなく彼女たちのディスコグラフィーにおける金字塔であり、ひとつの到達点だ。
1stシングルと2ndシングルが裏表の世界観を持っていた楽曲だとしたら、二人セゾンはその一段上の世界にある。はっきりと言ってしまえば、これは今後のメンバーの卒業、そしてグループの解散すらをも内包した「ラストソング」でもある。
率直なところ、筆者はこのシングルが彼女たち欅坂46を熱心に追うことが最後になる予感がしていた。
Suchmosを経由してSMAPにたどり着くような感覚で、けやき坂46『誰よりも高く跳べ!』に唯一、新たな可能性を感じたものの、「欅坂46は1年足らずでたどり着くところにたどり着いてしまった。彼女たちのキャリアはこれからも続くだろうが、作品として『この先』はもうないだろう」と思ったからだ。
その理由は明白。欅坂46がはじめて過去に立ち返るような作品を発表したと感じられたからだ。
一言で言えば「サイレントマジョリティーの焼き直し」ということである。ちょうど1年前につくった「反逆のアイドル」というイメージの拡大再生産。これまでも2ndには『語るなら未来を・・・』、3rdには『大人は信じてくれない』といった反逆のニュアンスを帯びた楽曲は収録されていたが、表題曲となると話は違う。
『サイレントマジョリティー』と同じ作曲家であるバグベアによって書かれた「サイレントマジョリティータイプ」の楽曲を、1年を隔てて同じリリース日に発表する意味。それはもちろん、彼女たちの1年の成長を見せるためだろう。だが、MVの時点では、それは決して成功したとは感じられなかった。
欅坂46 『不協和音』
「欅坂46もネタ切れか」…あらゆる新人アーティストのライフサイクルが短くなっている状況から考えても、自然な流れだったかもしれない。
しかし、それは間違いだった。それがこの日のライブを観ての結論だ。
その予感は唐突に訪れた。
筆者の近くでライブを観ていた関係者席の女性2人が、本編ラストである『不協和音』のパフォーマンス前、メンバーがMCをしているステージを観ながら「緊張するね」とつぶやいた。
おそらくは振り付けに関わったダンサーなのだろう。ギリギリまで練習していたこと、ギリギリのパフォーマンスだということ、それほどの難曲だということが、その一言でうかがえた。そして、この曲に賭けているということも。
そのどれもがオリコン1位の売上を記録すると同時に話題となり、デビューからわずか8ヶ月で「NHK紅白歌合戦」に出場するまでとなった。
もちろん、その成功の裏側にはAKBグループと乃木坂46で培われたノウハウがあるのは間違いないだろう。
そう、彼女たちはアイドル界の異端であると同時に、王道を行く存在である。そこが欅坂46の持つ“新しさ”なのだろう。
そんな欅坂46がこのたび『サイレントマジョリティー』リリースによるデビューからちょうど1年後、2017年4月6日に国立代々木競技場第一体育館で「欅坂46 デビュー1周年記念ライブ」を行った。
それは彼女たちの第1章の終わりと新たな季節の始まりを告げる、ターニングポイントだった。
文:照沼健太 撮影:市村岬 編集:新見直
全シングルがクラシック化した、欅坂46の2016年
「もう私たちは1年前とは違う」この日のオープニングを飾った、メンバーがこの1年を振り返るインタビュー映像はこんなテロップで締めくくられた、そしてメンバーがステージに登場し、鳴り響いたのはあのイントロ。
そう『サイレントマジョリティー』だ。スクリーンにはこれまで各所で披露してきた同曲のパフォーマンス映像が投影され、ステージ上ではその最新型が繰り広げられていく。まさしく“1年間の軌跡”が詰まったような演出だ。
こうしたオープニングが象徴するように、この日のセットリストは、これまでにリリースした全26曲をシングルのリリース順に並べて構成した、彼女たちの歩みをそのまま表現するかのような曲順となっていた。
一言で言えば「『サイレントマジョリティー』から『不協和音』へ」だ。
ここで、これまでのシングルから彼女たちの2016年を振り返ってみたい。
1stシングル『サイレントマジョリティー』
軍服/モッズをモチーフに、アニメや特撮といった要素を散りばめた制服。シンコペーション※1するメロディー、変拍子とジャンプ率の高い転調が耳を惹く楽曲。都会に流れる薄汚れた川でカメラを睨むアートワーク。※1: 拍の強弱を通常と入れ替え、リズムに変化をつける手法
そして何よりも欅坂46の名を知らしめ、そしてそのイメージを決定づけた、平手友梨奈の鋭い眼光と扇動的かつ両義的なリリックとダンス。
それらが融合した表題曲「サイレントマジョリティー」は、乃木坂46の妹分のデビュー曲として“牧歌的でかわいらしいもの”を想像していた多くのアイドルファンの度肝を抜いただけでなく、ミュージシャンを筆頭に各分野のクリエイターらのリアクションを真っ先に引き出し、広く世間へ話題を波及させていった。
特にMVは欅坂46だけでなく日本のポップにおけるひとつの記念碑的作品であると言って間違いない。
そしてカップリングには、この後も彼女たちの作品に見られる“演劇的な振り付け”が驚きを持って迎えられた『手を繋いで帰ろうか』、平手のソロによる昭和歌謡シリーズの口火を切った『山手線』、同じく昭和歌謡でもフォークソングを披露するユニット・ゆいちゃんずによる『渋谷川』、欅坂46のリリックにおいて繰り返されるテーマである“コミュニケーションの問題”と“孤独”を象徴する『キミガイナイ』を収録。
そのどれもが今から振り返れば彼女たちの原型となっている、まさに原点といえるシングルだ。
そして、平手と並ぶ人気メンバーであり、“欅坂46の物語”のもう一人の主人公が長濱ねるである。
家庭の事情により一度は欅坂46の最終オーディションを辞退したものの、その後「欅坂46」とはまた違う「けやき坂46」というグループの唯一のメンバーとして特例で加入した彼女は、そうした経緯に引け目を感じ、正規のルートで合格していた他メンバーとの軋轢も少なからず生んでしまう。
そうした背景を秋元康が見事に題材として採用した『乗り遅れたバス』もこのデビュー・シングルに収録されている。
この日のライブにおいては、同曲を披露する前に、長濱ねるがMCをしているあいだに「欅坂に向かうバス」に他メンバーが先に乗り込み、ただ一人彼女が取り残されるという残酷な演出がなされていたが、この“後悔”と“仲間”を巡る物語は、欅坂46を語るに欠かせない“もう一つの物語”としてこの後も続いていくことになる。
2ndシングル『世界には愛しかない』
『サイレントマジョリティー』に寄せられた予想以上の高い評価から、メンバーやスタッフは次作に対して相当なプレッシャーを感じていたというが、ファンからの期待はそれ以上のものに膨らんでいた。そんな状況でリリースされた2ndシングル『世界には愛しかない』は、ポエトリーリーディングを取り入れた、疾走感と開放感にあふれる青春ソングとなった。
ディストピア的世界観を持った『サイレントマジョリティー』の閉塞感から一転、歌詞にある通り歩道橋を駆け上がり目の前に青空が広がったような開放感に満ちた曲ではあるが、大人への不信を忍び込ませたリリックによって、どこか『サイレントマジョリティー』と同じ世界の出来事であるという地続きの物語性が加えられているのもポイントだろう。
そう、岩井俊二監督による映画『リリイ・シュシュのすべて』と『花とアリス』という対極の作品が、同じ世界を舞台とした物語であるように。
そしてやはりこの曲においてもMVは重要な意味を持つ。冒頭の平手による叫びが、この曲に新しい意味を加えた。それは思春期の強烈な痛みであり、自らの性や暴力性への戸惑いであり、衝動だ。
また本作収録曲全般において、より強い意志を帯び始めたリリックも特徴と言える。
前作『サイレントマジョリティー』収録曲の多くの歌詞が、どこか断定を避け曖昧な態度をとっていたのに対し、本作の主人公たちは「また会ってください」と言い、遠距離恋愛の彼氏に自ら会いに行き、過去を振り返ることを否定し、ボブディランを返さないのだ。この方向性はこの後のシングルにおいても強まっていくことになる。
そして、長濱ねるを主役とするもう一つの物語も新展開を迎える。それが、メンバーを加えついに活動を開始した「けやき坂46」によるデビュー曲『ひらがなけやき』である。
不安げな転校生である主人公が、新しい制服と新しい出会いに少しずつ心を動かしていく。『乗り遅れたバス』で「できることなら時間を戻し/一緒に行きたかったけど/欅坂向かうバスはもう先に出てしまった」 と後悔を隠さずに歌っていた長濱ねるが、新しい仲間たちと出会ったという美しいストーリーと言えるかもしれない。
しかし、本作リリース前に発表された、長濱ねるの「欅坂46とけやき坂46の兼任」により話はそう簡単にはいかなくなった。それは2つのグループに仲間がいるという見方もできれば、その両方で引き裂かれているとも言える。
欅坂46とけやき坂46の関係性はまだ不透明な部分も多いが、欅坂46が本流であることに間違いはない。きっとそれが彼女の足かせとなることも少なくはないだろう。だが、時間を戻せたならば新しい仲間との出会いは消えてしまう。「もう一つの物語」には、また新たな要素が加わったのだ。
3rdシングル「二人セゾン」
デビューから8ヶ月での「NHK紅白歌合戦出場」が象徴するように、AKB48や乃木坂46といった先輩グループが歩んできた道のりを一足飛びで駆け上がってきた欅坂46だが、キャリアではなく作品性における最大のジャンプは、この3rdシングル『二人セゾン』だろう。恋と喪失を、そして失って初めて生まれる美があるというこの世界の残酷さを描くことで、生の祝福という普遍にたどり着いた表題曲は、まちがいなく彼女たちのディスコグラフィーにおける金字塔であり、ひとつの到達点だ。
1stシングルと2ndシングルが裏表の世界観を持っていた楽曲だとしたら、二人セゾンはその一段上の世界にある。はっきりと言ってしまえば、これは今後のメンバーの卒業、そしてグループの解散すらをも内包した「ラストソング」でもある。
率直なところ、筆者はこのシングルが彼女たち欅坂46を熱心に追うことが最後になる予感がしていた。
Suchmosを経由してSMAPにたどり着くような感覚で、けやき坂46『誰よりも高く跳べ!』に唯一、新たな可能性を感じたものの、「欅坂46は1年足らずでたどり着くところにたどり着いてしまった。彼女たちのキャリアはこれからも続くだろうが、作品として『この先』はもうないだろう」と思ったからだ。
『不協和音』は『サイレントマジョリティー』の焼き直しなのか?
そうした3rdシングル『二人セゾン』の興奮とともに感じた不安はほぼ的中した。新しく発表された4thシングル『不協和音』は、自分含め多くのリスナーに戸惑いを持って迎えられた。その理由は明白。欅坂46がはじめて過去に立ち返るような作品を発表したと感じられたからだ。
一言で言えば「サイレントマジョリティーの焼き直し」ということである。ちょうど1年前につくった「反逆のアイドル」というイメージの拡大再生産。これまでも2ndには『語るなら未来を・・・』、3rdには『大人は信じてくれない』といった反逆のニュアンスを帯びた楽曲は収録されていたが、表題曲となると話は違う。
『サイレントマジョリティー』と同じ作曲家であるバグベアによって書かれた「サイレントマジョリティータイプ」の楽曲を、1年を隔てて同じリリース日に発表する意味。それはもちろん、彼女たちの1年の成長を見せるためだろう。だが、MVの時点では、それは決して成功したとは感じられなかった。
「欅坂46もネタ切れか」…あらゆる新人アーティストのライフサイクルが短くなっている状況から考えても、自然な流れだったかもしれない。
しかし、それは間違いだった。それがこの日のライブを観ての結論だ。
その予感は唐突に訪れた。
筆者の近くでライブを観ていた関係者席の女性2人が、本編ラストである『不協和音』のパフォーマンス前、メンバーがMCをしているステージを観ながら「緊張するね」とつぶやいた。
おそらくは振り付けに関わったダンサーなのだろう。ギリギリまで練習していたこと、ギリギリのパフォーマンスだということ、それほどの難曲だということが、その一言でうかがえた。そして、この曲に賭けているということも。
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よろしいですか?
月夜見月夜
ひらてちと、ねる。 二人がいればそれでOK。
他には何も要らない。 他には誰も知らない。
CKS
気圧される気迫