マエケンは幸運な初勝利　５イニング４失点も味方が１０点援護

　今季の日本投手でいの一番に白星を手にした。この日は、マウンド上でふらつく場面もあるほどの強風が吹き荒れた中での登板。得意のスライダーが思うように曲がらず、打者がタイムを繰り返してリズムに乗るのは難しかった。それでも、立ち上がりはロッキーズの強力な中軸に臆することなく強気の投球を披露。「いい感覚だった」という速球で内角高めを大胆に突いて乗り切った。

　それだけに、５回での降板を招いた四球からの２失点に納得がいかない様子。前田は「勝てたことは僕にとっていいことだけど、内容が伴っていない」ともろ手を挙げて喜べない。勝ち星がついたのは１０得点してくれた味方の援護。「防げる点もあったし、取られ方が悪かった。もったいなかった」。ふがいない形での失点に反省の言葉が続いた。

　先発３番手のヒルが早々に戦列を離脱する中、絶対的エースのカーショーに続く前田はチームにとって欠かせない存在。シーズン２００投球イニングを目標に掲げる右腕は「悩みすぎて感覚を悪くしてもあれだし、切り替えて次に向かいたい」と勝利の余韻に一切浸ることなく先を見据えた。　（デンバー穐村賢）