AMD、VR無線化のNiteroを買収。広帯域&低遅延のミリ波ビームフォーミングチップメーカー
連載
注目記事
決済で旧態依然ーー日本マクドナルドがクレカ・交通系ICについに対応、2017年下半期より
Google、JPEGを35%縮小する新エンコーダ「Guetzli」発表。画質は同じでファイルサイズ削減
動画:世界最小27mm指乗りドローンNANO Q4 SEレビュー、小さくても安定飛行、フライト時間が物足りない
人気記事
注目のXperia XZs 国内発売にさきがけ香港版を入手!美麗ボディの新スマホ開封レポート
iPhone 8はスマートコネクタでVR / ARデバイスに対応?置くだけ充電のうわさも
スペースシャトルの耐熱タイルが盗まれる。約15cm角、解説員が目を離した数分間に姿消す
AMD がVR無線化技術の Nitero を買収しました。米国オースティンに本拠地を置く Nitero は 2009年創業の無線チップメーカー。最近では高解像度のデスクトップVRヘッドセットを無線化する広帯域&低遅延の60GHz ミリ波無線チップをデモしていました。
昨年が元年だったはずなのでVR2年にあたるはずの2017年現在、Oculus Rift や HTC Vive のようなPCベースのVRヘッドセットは仮想世界に入りこんだような体験を売りにしますが、どちらも映像・センサデータ・電力のため高性能PCにケーブル接続が必要です。
Nitero がデモしてきたのは60GHz帯のミリ波無線を使い、デスクトップ級VRの高精細かつ高フレームレートの映像を、低遅延でヘッドセットに転送する技術。
ミリ波といえば大容量のデータを転送できる一方で直進性が高く、途中に障害物があると途端に転送量が落ちる性質がありますが、Niteroはフェイズドアレイ式のビームフォーミングでこれを解決すると説明しています。
買収の詳しい条件や金額は非公開。AMDはNiteroの無線IPやエンジニアを手に入れ、Niteroの共同創業者でCEO の Pat Kelly 氏はAMDの無線IP担当シニアバイスプレジデントに就任します。
さて、AMDといえば言わずと知れたグラフィック技術企業であり、GPU / CPU およびお得意の合体技APUで PCはもとよりプレイステーション4やXbox Oneといった機器にもプロセッサを提供しています。
無線チップはAMDの従来の事業には含まれていませんが、高度なデスクトップ級グラフィックが必要なPC VRが普及すればするほど自社のAPU / GPU / CPU が売れる立場から考えれば、VRのケーブルレス化を早める技術が追い風になるのは分かりやすい話です。
自社のプロセッサやグラフィック技術にNiteroから獲得した無線伝送技術を深いレベルで統合して低遅延化できれば、競合に対するアドバンテージになります。
Nitero は今回の買収発表前、複数のVR / ARヘッドセットメーカーやハードウェアパートナーと協力してVR無線化ソリューションを提供する計画を明らかにしていました。AMDからの製品が既存の Rift や Vive に接続する形式のアクセサリになるのか、別の形態になるのかは未発表。
なお HTC Vive 向けの無線化ソリューションとしては、Vive X アクセラレータプログラムに選ばれた TPCAST製の公式無線化アクセサリが年内にもグローバル市場で販売予定です。
VRヘッドセットHTC Viveを無線化する公式キット、数量限定で予約受付。Vive Xアクセラレータから製品化