オーバーブッキングを理由に警官が米ユナイテッド航空の旅客機から乗客の1人を引きずり降ろす様子を収めた動画が4月10日、SNSに投稿され、物議をかもした。ユナイテッド航空の広報担当者は「この男性に降りてもらうためには警察を呼ぶしかなかった」と説明している。
問題が起きたのは、9日夕方にシカゴのオヘア国際空港で離陸準備に入っていたケンタッキー州ルイビル行きのユナイテッド航空3411便。動画には、窓側の座席で叫び声をあげる男性を複数の警官が肘掛け越しに引っ張りだし、両腕をつかんで通路を引きずっていく様子が映っている。ユナイテッド航空は提携航空会社の乗務員4人のために席を空ける必要があったのだという。
機内では乗客が、「ああ、何てこと!」「何をやっているんだ?」「これはひどい」「自分が何をしたか分かっているの?」「唇が切れている」といった非難の声を上げている。
この動画をFacebookに投稿したのは、乗客の1人、オードラ・ブリッジズさんだ。夫のタイラーさんによれば、ユナイテッド航空は当初、400ドルのバウチャーにホテル1泊無料をつけて別便への振り替えに応じてくれる人を募っていたが、その後、乗客の搭乗が済み、バウチャーを800ドルに増額しても、志願者は1人も出なかった。すると、ユナイテッド航空の責任者が機内に乗り込んできて、「降りてもらう乗客を無作為に選ぶ」と説明したという。
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