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航空機の史料室休館へ 豊山・三菱重工、5月末

ゼロ戦の復元機やMU2の機体が並ぶ館内=豊山町豊場の三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所史料室で

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 豊山町豊場の三菱重工業名古屋航空宇宙システム製作所史料室が、施設の老朽化と資料や展示物の整理のため、五月末で休館する。

 同社は、新たな展示施設として現在の史料室のほか、名古屋市港区大江町の大江工場内にある、通称「時計台」と呼ばれる建物などを検討している。展示再開の時期は未定。

 史料室は、ビジネスジェット機「MU300」の主翼などを組み立てた工場を活用。戦前からの航空機生産の足跡を後世に伝えようと、一九九〇年にオープンした。

 館内は約八百平方メートルで、二一(大正十)年に完成した「一〇式艦上戦闘機」の設計図や零式艦上戦闘機(ゼロ戦)の復元機体、プロペラビジネス機「MU2」の実機など十五万点の史料を保管し、一部を展示している。

 毎週月曜と木曜に一般開放しており、電話予約すれば無料で見学できる。年間一万人が訪れ、見学者は二十六年間で三十万人以上となる。国産初のプロペラ旅客機「YS11」の開発や製造に携わった人たちも当時を懐かしんで来場した。

 休館は、膨大な数の設計図などを整理し、さらなる利活用を進めるため。

 史料室で見学者を案内する伊藤敏彦さん(74)は「史料は一度失えば、二度と手に入らないものばかり。利用しやすいように、紙の資料のデジタル化なども考えていきたい」と話した。

 (藤原啓嗣)

 

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