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海外FXはハイレバレッジでトレードができるため、資金力が少なくても、ある程度の通貨量でトレードが可能になります。だとすれば、勝率の高いテクニカルトレードの方が海外FXにはマッチするはずです。今回は初心者向けのテクニカルトレード方法ですが、勝率の高い順張りトレード「遅行スパンとボリンジャーバンドの合わせ技」だけでトレードするとどうなるのか?1週間実験してみました。
「遅行スパンとボリンジャーバンドのクロストレード」とは?
遅行スパンとは?
テクニカル指標の一目均衡表にある一つの指標のことです。遅行スパンとは「現在のレートから26期間分後ろにずらしたもの」を言います。
水色の線が「遅行スパン」です。
- 遅行スパンが26期間前のレートより上にある → 上昇トレンド
- 遅行スパンが26期間前のレートより下にある → 下降トレンド
「そんなシンプルな指標ほんとに役立つの?」
と思う方も多いかもしれませんが、かなりプロのディーラーや名のある投資家の方も「遅行スパン」は重要な指標として採用している方が多いものなのです。なぜ、これが有効なのか?は明確に説明することはできませんが、相場が26期間というサイクルでトレンドが動くため有効であると考えられています。
ボリンジャーバンドとは?
ボリンジャーバンドは移動平均線に価格率と標準偏差を盛り込んだ代表的なテクニカル指標です。標準偏差の考え方では、プラスマイナス1σの間に納まる確率は68.3%であり、プラスマイナス2σの間に納まる確率は95.5%となります。つまり、プラスマイナス2σの線を超える確率は4.5%しかないのです。
「遅行スパンとボリンジャーバンドのクロストレード」とは?
遅行スパンが
- 26期間前のレートより上にある → 上昇トレンド
- 26期間前のレートより下にある → 下降トレンド
なのですが、これだけではだましの確率が高いので、プラスマイナス2σのボリンジャーバンドの線を超えるタイミングでトレンド発生として、エントリーするトレード手法です。プラスマイナス2σのボリンジャーバンドの線の中に遅行スパンが戻った時にトレンドが収束したと判断し、手仕舞いします。
確実性を高めたい場合は、プラスマイナス3σに設定しても構いませんがトレード機会は減ってしまいます。
「遅行スパンとボリンジャーバンドのクロストレード」のメリット
- 逆張りに近いトレンド発生なので大きく勝てる
- 1日にエントリーできるタイミングが5回~10回と多い
- エントリータイミングがわかりやすい
「遅行スパンとボリンジャーバンドのクロストレード」のデメリット
- 騙しもあるので勝率自体はそれほど高くない
- 遅行スパンを追いかけるので見逃しやすい
ことが挙げられます。
「遅行スパンとボリンジャーバンドのクロストレード」で注意すべきこと
騙しもあるが気にせずルール通りにエントリーする
「遅行スパンとボリンジャーバンドのクロストレード」は騙しに遭う可能性もそれなりに高い手法だが、勝てるときには大きくpipsを稼げるのであまり気にせず条件にあったらエントリーを繰り返しましょう。
損切りラインは設定しても良い
この手法でトレードする場合は、比較的トレンドが素直に発生するので、損切りラインを浅めに設定しても大丈夫です。ちょうどよいpipsに調整しましょう。
「トレンドラインを引いた順張チャネルトレード」/実験レポート
検証条件
採用したチャート
- 一目均衡表:(遅行スパン26)
- ボリンジャーバンド:(21/偏差(シグマ)プラスマイナス2)
- 5分足
- USD/JPY
採用したルール
- 遅行スパンが26期間前(遅行スパンと同じときの)+2σの線を超えたら「買い」エントリー
- 遅行スパンが26期間前(遅行スパンと同じときの)-2σの線を超えたら「売り」エントリー
- +2σ、-2σの線に戻ってきたらエグジット
検証期間
2017年3月23日~2017年3月28日
3月23日
ポジションの方向:買い
エントリー:111.360
エグジット:111.418
5.8pipsの利益
ポジションの方向:売り
エントリー:111.343
エグジット:111.370
2.7pipsの損失
ポジションの方向:売り
エントリー:111.298
エグジット:111.048
25.0pipsの利益
ポジションの方向:売り
エントリー:110.935
エグジット:110.951
1.6pipsの損失
ポジションの方向:買い
エントリー:111.212
エグジット:111.146
6.6pipsの損失
3月24日
ポジションの方向:買い
エントリー:111.016
エグジット:111.318
29.8pipsの利益
ポジションの方向:売り
エントリー:111.276
エグジット:111.032
24.4pipsの利益
ポジションの方向:買い
エントリー:111.137
エグジット:111.132
0.5pipsの損失
ポジションの方向:売り
エントリー:111.013
エグジット:110.861
15.2pipsの利益
ポジションの方向:買い
エントリー:111.102
エグジット:110.998
10.4pipsの損失
3月27日
ポジションの方向:売り
エントリー:110.643
エグジット:110.411
23.2pipsの利益
ポジションの方向:売り
エントリー:110.300
エグジット:110.212
8.8pipsの利益
ポジションの方向:買い
エントリー:110.360
エグジット:110.298
6.2pipsの損失
ポジションの方向:売り
エントリー:110.184
エグジット:110.249
6.5pipsの損失
ポジションの方向:買い
エントリー:110.410
エグジット:110.553
14.3pipsの利益
3月28日
ポジションの方向:買い
エントリー:110.685
エグジット:110.667
1.8pipsの損失
ポジションの方向:売り
エントリー:110.575
エグジット:110.544
3.1pipsの利益
ポジションの方向:買い
エントリー:110.669
エグジット:110.601
6.8pipsの損失
ポジションの方向:売り
エントリー:110.566
エグジット:110.362
20.4pipsの利益
ポジションの方向:買い
エントリー:110.438
エグジット:111.045
60.7pipsの利益
結果
勝敗:11勝9敗
合計:187.6pipsの儲け
考察
勝てる時に大きく勝てるトレード手法
今回の実験では
- 利益が出たときの平均値:+20.9pips
- 損失が出たときの平均値:-4.7pips
でした。
トレンドの転換点をいち早く察知できるトレード手法なので、上手くトレンドが発生したときには大きなpipsが稼げる手法となっています。勝敗で行けば、11勝9敗なので勝率が高いわけではありませんが、勝つときに4倍も大きいpipsを稼いでくれるのでトータルの期間では大きくプラスになりました。
精度を高められる余地も感じる
やってみた印象で言えばボリンジャーバンドの2σを少し突き抜けてすぐ戻るときに損失が発生しています。
この小さな騙しにも、パターンのようなものが存在する印象ですので、突き詰めていけば勝率自体も改善できる余地があると思います。
今回は2σでテストしましたが、3σでテストすれば勝率自体も改善すると思われます。
エントリーの判断がわかりやすいので初心者にも良い
エントリーの判断が複雑でないため、シンプルに水色のライン(遅行スパン)が緑色のライン(ボリンジャーバンド)を抜けたか?納まったか?だけですので初心者でも十分に利用できるトレード手法と言えます。
まとめ
「遅行スパンとボリンジャーバンドのクロストレード」は勝率は高くないものの「大きく勝って小さく負ける」というFXの定石を体現できるトレード手法です。
遅行スパンは、至極単純なテクニカル指標ですので、不安に感じる方も多いと思いますが、実際に多くの投資家や為替ディーラーが採用している、有効なテクニカル指標でもあるのです。一度試してみることをおすすめします。
- 投稿タグ
- クロストレード, テクニカル分析レポート, ボリンジャーバンド, 海外FX, 遅行スパン
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