それまで、トランプ氏は英紙フィナンシャル・タイムズのインタビュー(2日付)で、中国が、北朝鮮の核・ミサイル問題で具体的役割を果たさない場合、「俺たち(だけで北朝鮮への『斬首作戦』『限定空爆』を)でやる」と明言していた。それが、ただの脅しではないことを、習氏に行動で見せつけた。
習氏は、北朝鮮対応での「協力強化」を約束し、シリア攻撃を「理解」するしかなかった。習氏の「(米中関係を発展させるために)われわれは責任を果たす」との言葉は、事実上の屈服といえる。
正恩氏も震え上がっているはずだ。
北朝鮮は、核・ミサイルを持つことで「米国と対等な交渉」を画策していた。中国も「問題解決には米朝間の対話が必要」という立場だった。だが、トランプ氏は、中朝側の思惑を粉砕した。
現在、朝鮮半島では、史上最大規模の米韓合同野外機動訓練「フォールイーグル」が行われている。「斬首作戦」を担当する米海軍特殊部隊(ネービーシールズ)は韓国周辺で待機しており、B2ステルス戦略爆撃機やF22ステルス戦闘機も出撃準備ができている。
北朝鮮は近く「6回目の核実験」を強行する構えを見せている。
だが、正恩氏が実行命令を出せば、トランプ氏が設定した「レッドライン」(越えてはならない一線)を越えたことになりそうだ。