https://www.mangaz.com/book/detail/45371
を読み返していて、こんなに完成度の高い漫画が絶版になったのかと虚しくなった。いわゆるBLジャンルの中では、かなり作りこまれた短編である。少なくともパッと古本屋でBLを10冊20冊をみても、こんなに上質な話を見つけることは難しいだろう。
この話が作られた時代がどんなものかはわからないし、イラストが人を引き付けないとかはあると思うけれど、話の素晴らしさが大衆性につながらない一つの例だと感じる。(この大衆性とはエロのことだ。エロがあればOKの風潮はどうかと思う。)
私が最近トップクラスで好きな漫画、ワールドトリガーはすごく人気とは言い難いが、twitterをみてみるとジャンプであるということもあり、「意外と」読者が多いという印象だ。一発で魅きつける派手さはない代わりに、わかる人にはわかる手堅い面白さというか。落とし所がしっかりしているので、イマイチパズルがかみ合わないバトル漫画などより、ずっと読みやすい。
そういう作り込みをされているにもかかわらず、あまり売れていない本をいかにファンを獲得できるかは、今後の出版業界の未来に関わっていく気がする。
Pixivとか、小説とか、漫画でもなんでもそうだけれど、話としての完成度や文章としての素晴らしさなどが、人気に直結しているわけではない。Pixivや少女漫画などは、いかに大衆が好きなネタを積み込まれるかというところが評価につながるので、ランキングが話としての完成度に比例するわけではない。
だからたまに、やたらと改行が多い、記号が多い、キャラクターが原作と異なっている。など、「これは明らかにひどい、、」と思えるものが、存在している。
個人的には許せないが、まあそれも一興ということなんだろうな。
だが、現実社会で見てみても、正しいことをいうことや、温和な人というのが評価を集めるのではなく、いい加減なことを言っていても元気な人(ごく私の個人的意見としては好きではない)の方が人からの評価を集めることが多い。もしも人に好かれたいと思う場合、整合性が取れなくても大衆的な人間を演じることの方が求められるんだろう。私自身は、自分の持つモラルに則った、正しい人間になりたいと心がけている。だけれども、それはただの自分のエゴに過ぎないのかもしれない。
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