宮田亮平文化庁長官は9日、各地の寺社で液体のようなものが掛けられた事件を受け、同様の被害が確認されている世界遺産の下鴨神社(京都市左京区)を視察した。
神社関係者らと重要文化財の橋殿などを見て回り「神聖な場所なのに残念で悲しい。文化庁として憤りを感じる」と感想を述べた。文化財部長をトップとする対策チームを設置したことを明らかにし「今後、どのように修復するか検討していきたい」と話した。
液体被害は奈良県吉野町の金峯山寺や那覇市の首里城、東京都渋谷区の明治神宮、港区の増上寺でも見つかっており、各地の警察が調べている。
また、同日は文化庁の京都移転の先行組織「地域文化創生本部」の設置を記念する式典も京都市内で開かれた。松野博一文部科学相は「政府機関の地方移転の第1号として今後の試金石になる。文化行政の新たなモデルをつくりたい」とあいさつした。〔共同〕