◆大物投入に衝撃
ソウル南郊にある米空軍の烏山(オサン)基地で4日、A10攻撃機の前で黒いダウンジャケット姿の男性が生中継していた。
「ここから非武装地帯(DMZ)まで戦闘機に乗って数分。北朝鮮によるさらなる核実験はいつでも起こり得る状況です」
米3大ネットワークの一つ、NBCの看板キャスター、レスター・ホルト氏だ。トップニュースとして「トランプ政権は対北先制攻撃論も排除しないとしている」とも伝えられた。
米メディアが大物キャスターを在韓米軍の現場に投入した事実を韓国各紙が衝撃をもって報じた。トランプ政権と北朝鮮の金正恩(キム・ジョンウン)政権が対峙(たいじ)する“最前線”に自国が置かれている現実を突き付けられたからだ。
ホルト氏は北朝鮮に通じる道路脇で「正恩氏が長距離ミサイル発射を予告する中、韓国は朴槿恵(パク・クネ)前大統領が逮捕され、政治不安が大きい」ともリポートした。
米紙が、トランプ政権が韓国への戦術核兵器の再配備を検討していると伝える中、韓国紙、朝鮮日報は社説でこう警鐘を鳴らした。
「国の運命を左右しかねない重大問題がひそかに検討される中、当事者のわれわれが状況を知り得ないとすれば、異常事態と言わざるを得ない」
◆6万人退避計画
米側から攻撃を受けた北朝鮮が韓国への報復攻撃をすれば、6万人近くに上る在韓邦人の保護が課題となる。日本政府は独自の退避計画を作成するとともに、米軍の協力を得て邦人の安全確保を図る。
「邦人退避の問題は以前から取り組んでいる。『とりあえずは大丈夫だ』というのが答えだ」