□対北先制攻撃論活発化…各国反応は 迫る「有事」、高まる緊張
■韓、最前線の現実痛感 日、在韓邦人守れるか
5日、米ニューヨークのマンハッタンで開かれた「2018年の世界ビジネス」と題する銀行家の集まりでは、著名な企業弁護士が「心地が悪いですね」と北朝鮮問題を懸念していた。ウォール街などビジネス界でも最近、北朝鮮問題が「リスク」として認識されている。
一部の投資家の間では、「人民元と連動した通貨を売り、米ドルを買う」という売買がみられ始めたそうだ。「有事」にいたる前段階として、「北朝鮮と関係のある中国企業との金融取引を禁止する制裁が発動されるかもしれない」(米投資家)という読みだ。
戦争が勃発した場合、収益が上がりそうな軍需株もここに来て軒並み上昇している。米軍のシリア攻撃を受け、7日のニューヨーク株式市場では、攻撃に使用された巡航ミサイル「トマホーク」を製造するレイセオンや、ロッキード・マーティンなどの航空機メーカーの株価がさらに1・5%前後の上昇を記録した。多くの投資家はトランプ政権による軍事行動は「今後も続く」とみているようだ。
◆核ミサイル懸念
マクファーランド米大統領副補佐官(国家安全保障問題担当)が英紙フィナンシャル・タイムズに「北朝鮮がトランプ政権1期目の終わり(21年1月)までに核弾頭搭載ミサイルで米国を攻撃できるようになる可能性が高い」と表明したことは、トランプ政権の北朝鮮に対する危機感を表している。
一方、北朝鮮に武力行使する場合、日韓を巻き込んで地域紛争に発展することを避けなければならない。そのため、核・ミサイル施設への限定的な先制攻撃とする公算が大きい。地下深くの核関連施設は破壊が難しく、ミサイル関連施設への攻撃を優先。米艦船からの「トマホーク」、戦略爆撃機や戦闘機からの衛星誘導爆弾(JDAM)による精密攻撃が中心になるとみられる。米情報企業ストラトフォーの分析では、米軍は約600発の巡航ミサイル発射が可能で、シリアでの59発とは比較にならない攻撃能力を見せつける。