シリア攻撃、衝撃と圧力 中国、米と「密約」か…北反発恐れ沈黙 韓国紙は警鐘「国の運命左右しかねない中…」 (1/5ページ)

2017.04.10

6日、米フロリダ州の別荘「マールアラーゴ」で、シリアへの軍事攻撃について報告を受けるトランプ氏ら政権幹部。奥の扉右脇には更迭が噂されるバノン首席戦略官兼上級顧問の姿がある(ホワイトハウス提供=AP)
6日、米フロリダ州の別荘「マールアラーゴ」で、シリアへの軍事攻撃について報告を受けるトランプ氏ら政権幹部。奥の扉右脇には更迭が噂されるバノン首席戦略官兼上級顧問の姿がある(ホワイトハウス提供=AP)【拡大】

 米軍によるシリア攻撃が6日の米中首脳夕食会でトランプ大統領から習近平国家主席に直接伝えられたことは、中国側に衝撃を与えた。北朝鮮攻撃の「警告」であることは明らかだったためだ。

 仮に事前通告があったのなら、中国は「すでに複雑なシリア情勢を一層悪化させる」として反対を表明したはずだ。しかし、発射ボタンが押された後では、会談決裂を避ける上でも米側の措置を受け入れるほかなかった。

 ティラーソン国務長官ら米側は、会談で米中首脳が北朝鮮の核開発に懸念を示し、開発阻止に向けた協力強化で合意したと発表した。ところが、首脳会談を伝えた国営新華社通信などの中国メディアは、北朝鮮核問題には沈黙した。

 中国側が合意に触れなかった理由は、「米との妥協」が中国国内で反発を招くことを懸念したためとみられる。

 在米の亡命中国人の間では、朝鮮半島の非核化をめぐり、何らかの「密約」が交わされた可能性が指摘されている。仮に米国の軍事攻撃に対する中国の「黙認」や、対北制裁の完全履行で合意したとしても、公表されれば中国国内の習政権への批判はもちろん、北朝鮮の反発が中国に向けて爆発するリスクがあるため「公表できない」というのがその理由だ。

 ◆国境に中国軍車列

 米国によるシリア攻撃は、今後の北朝鮮への武力行使を暗示する動向として中国世論にも大きな衝撃を与えた。中国のインターネット上では7日午後から「中国人民解放軍瀋陽戦区の医療・後方支援部隊が国境の鴨緑江付近に向かった」との情報が拡散している。瀋陽市内とみられる町中を軍の車列が移動する映像も出回ったが、当局は関連の情報を削除している。「北朝鮮からの難民流出に備えるための演習だ」と指摘する声がある。

 「北朝鮮への『斬首』作戦は一触即発の状態を招く」。ネット上では緊迫化する朝鮮半島情勢への懸念が広がり、「北朝鮮が攻撃されれば中国は支援する義務がある」などと米国に反発する声が多く寄せられている。

 
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