深川営業所
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平成元年には深夜01~深夜04の4系統に加え、新たに05~08の4系統がお目見えした。その中でもこれは、都05をベースにした有明・東雲・辰巳地区への深夜バスである。有楽町線と真っ向勝負といった形になっているが、最終バスは1:10と都営バスの中では最も遅い便である。都区内まで広げてもここまで最終が遅い系統はそうはない。
さて、この系統。辰巳や東雲にある団地群への輸送が現在では主目的だが、かつてはもう一つの役割があった。エムザ有明……今やバブルのあだ花という認識ぐらいしかないが、本当にバブリーな施設だった。'89の都バス路線案内の裏側には施設紹介が載っている。引用してみよう。
「MZAとはMedia・Zone・Amenityの頭文字から。コロシアム前の約2,000坪の敷地に、レストラン、カフェ・バー、ライブシアター、コンサートホール、ショッピングの5つの施設をもつ、いちばんホットなミニシティです。」
何のことだか訳わからんが、要するバブル期、芝浦などの臨港地帯にあったディスコ群の一つ。何がバブリーって建物の外観がすごかった。時代錯誤っぽくて。で、それの運用のために豊洲発23:55→MZA有明0:05→東京駅南口0:30→深川車庫という運用が存在した。しかしMZA有明の存在した期間は短く、1988年7月~1990年12月29日のわずか2年半である。それ以降もこの運用は細々と続いていたが、平成7年にまるごと廃止。ちなみにエムザ有明停留所は現在の有明コロシアム停留所である。それから先は現在のダイヤと同じとなっている。輸送人員もピーク時の1/3以下になってしまい、今後がちょっとばかり心配である。
この系統の特長は辰巳回り・東雲回りをそれぞれ1本ずつ運転している(豊洲まではさらに間に1本)ことであろう。それまでは本数が倍あったのだが、間引きされてしまい各行き先が1本ずつしか残っていない。団地輸送が主目的ということもあって、上りは豊洲駅始発となっている。また、これより前に1往復、運賃200円の都05として東京駅南口~豊洲駅を1往復走らせている。