おじさん、バイトをすることにした。
おじさん、平日は普通に働いている。
IT関連の会社で、社員ではなく役員という立場。有難いことに収入もそれなりにある。家のローンも十年以上前に完済している。
子供達も大きくなり休日はそれぞれ部活やら友人と遊びに行ったりで、自分にも持て余す時間が出てきた。
趣味を見つけるのも良いのだが、趣味というのもなかなかに金がかかる。
おじさんも不惑と言われる年代になり、会社の一員である人生も折り返す時期だし。
副業で小規模な開発でもやろうかとも考えたが、会社役員という立場上、関連する業種での副業は何かとヤバイらしいよ。いやマジで。法律的に。
ならば全く異業種で働くのも楽しそうだなといろいろ探していたら、近所のスーパーのフードコートでバイト募集してた。
おじさんで副業でも大丈夫らしいので、何も考えずに勢いだけで応募したら受かった。マジかよ。
行ってみたら、調理のお爺さん以外は全員女性という賑やかなバイト先だった。
若さゆえの勢いで、根掘り葉掘り聞かれた。
なんでバイトなの?奥さんは?子供は?平日はどんな仕事?え、それ殆ど趣味じゃん!うける!趣味でバイトヤバい!!すげー普通にいい人じゃん!その年でバイトとか絶対あぶない人だと思った!
なんか、とても新鮮だった。
平日の「増田さん、今度、中途希望者の面接の件ですが……」「増田さん、今期売上目標の状況ですが……」なんて話も良いが、こんな風に若い子や人妻さん方と笑い話するのもまた良い。
おじさんこれまで飲食関連はシステム作る以外で関わった事無かったし。