春の雨が
ふっています
しずかに
しずかに。
あたりは
ほのかな
甘い
香りで
いっぱいになり
わたしは
うっとり
目を
とじるのです。
春の雨が
ふっています
ていねいに
ていねいに。
すべての
ものを
いとおしむ
ように。
わたしは
からだの
中も
こころの
中も
すみずみまで
うるおって
ゆくのです。
春の雨が
ふっています
やさしく
やさしく。
おさない子を
そっと
つつむ
ように。
わたしは
とても
安心して
ほほ笑む
のです。
春の雨が
ふっています
天上に
花が
咲きあふれた
よろこびに
春の
神さまが
雨を
ふらせて
います。
この上なく
美しい
雨を。