1997年の長野新幹線(現在の北陸新幹線長野−東京間)開業とともに導入された北陸新幹線のE2系車両が31日、ラストランを迎え、デビュー路線での走行を終えた。E2系は東北、上越新幹線で残る。
E2系は、高崎駅(群馬県)から標高の高い軽井沢駅に向かう急勾配でも速度をあまり落とさず走れるよう、高出力のモーターを装着した。東京から長野に向かう観光客らのために、スキー板も置ける荷物置き場を設けた。
二年前に新幹線が金沢まで延伸。北陸新幹線では最新のE7系とW7系が主流になり、E2系は利用客の多い日などに運行する臨時列車として走った。徐々にE2系の本数が減り、最近は二編成だけ使われていた。
長野−東京間を往復する新幹線の列車名「あさま」は今後も残る。老朽化した車両が退場することで、北陸新幹線は全編成に乗客用の電源コンセントと温水洗浄便座のトイレが備わることになる。
「E2系ファンのみなさま、大変お待たせしました」。一日午前零時過ぎ、JR長野駅でアナウンスが流れると、E2系が予定より約三十分ほど遅れて姿を現した。ホームに集まった鉄道ファンらが最後の姿を撮影しようと、腕を目いっぱい伸ばしてカメラを高く掲げ、シャッターを切っていた。
千曲市の堀口拓斗君(8つ)は車両と一緒に記念撮影し「集中して見ていたから寒くなかったよ」と笑顔。家族で訪れた長野市松代のパート伝田ひとみさん(38)は初めて乗った新幹線が高校二年の修学旅行の東京行きE2系で、今も会員制交流サイト(SNS)のプロフィル画像にする大ファン。「(長野で)もう見られないし乗れないから寂しい。ありがとうの気持ちでいっぱいです」
(中島咲樹)