【カイロ=共同】エジプト北部のタンタとアレクサンドリアにあるキリスト教の一派、コプト教の教会で9日、相次いで爆発があり、保健当局によると計45人が死亡、110人超が負傷した。過激派組織「イスラム国」(IS)が系列ニュースサイトを通じて事実上の犯行声明を出した。同国のイスマイル首相は「テロ」と断定し「エジプトからテロを根絶する」と強調した。
この日はコプト教を含むキリスト教の記念日で、多くの信者が教会に集まっていた。アレクサンドリアの教会では、コプト教の指導者、法王タワドロス2世も礼拝に参加していたが、無事だった。
エジプトでは昨年12月、首都カイロのコプト教大聖堂で起きたISによる自爆テロで約30人が死亡するなど、コプト教徒を狙ったとみられる襲撃が相次いでいる。
タンタでは9日午前、教会内部の礼拝場所で爆発があり、保健当局によると、29人が死亡、70人超が負傷した。爆発物が椅子の下に置かれていたとの指摘があるほか、男が自爆したとの情報もあり、爆発時の状況について情報が交錯している。治安部隊が現場周辺で、他に爆発物がないか調べている。
報道によると、タンタでの爆発の数時間後、アレクサンドリアの教会でも爆発があった。男が教会に侵入しようとしたが、警備員に制止され、教会の外で自爆した。保健当局によると、16人が死亡、40人超が負傷したという。
エジプトの国教はイスラム教だが、人口約9300万人のうち10%弱がコプト教徒。