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 外はカリッ、中はモチモチ――。そんなトーストが焼けるオーブントースターが続々と登場しています。値段は高めですが、食感を求める人たちの間で注目されています。

 減少傾向にあったオーブントースターの売り上げが増加に転じたのは、2016年のこと。調査会社のGfKジャパンによると、国内の家電量販店での販売台数は前年から5%、金額では26%増と大きく伸びた。広報担当者は「1万円を超える機種の好調な販売が影響している」と分析する。

 大阪市のビックカメラなんば店は1月、オーブントースターの売り場を広げ、取り扱う種類を増やした。いまは70機種以上を並べる。売れるのは3千~5千円台のものが中心だが、担当の中川陸さんは「年配の方を中心に高級機への関心が高い」と話す。

 高級機人気の発端は、家電ベンチャーのバルミューダが15年に発売した製品だ。税込み約2万5千円。食パン、クロワッサンなど、パンの種類に合わせた焼き上がりになることが評判を呼び、これまでに20万台が売れた。その後、他のメーカーも高級機を売り出し、競争が高まっている。

 高級機の特長は加熱法にある。ふつうのトースターは、表面を焼く際に中の水分を飛ばしてしまい、モチモチ感を損ねていた。そこで、高温の水蒸気を使ったり、素早い発熱で短時間に焼き上げたりすることで、できるだけ水分を閉じ込めようと工夫している。

 庫内の熱を風で循環させるコンベクション(環流)機能がある商品が多いのも高級機の特徴だ。ノンフライの空揚げやローストビーフなど、オーブンのようにさまざまな調理に使える。

 よく売れている数千円台のものでは、食材の中まで火が通りやすい遠赤外線ヒーターを採用したタイプが人気だ。(新田哲史)

■高温水蒸気、焼きたて実現

 バルミューダの「ザ・トースター」は、高温の水蒸気でパンの表面を覆い、中の水分を閉じ込める。その上で、最適に制御したヒーターで焼き上げる。給水口に5ccの水を入れて使う。パンの種類に合わせた五つのモードがあり、焼きたてのパンを再現できるという。白と黒の2色。希望小売価格は2万4732円。

■食パン2枚、2分で一気

 日本エー・アイ・シーの「アラジン グラファイトトースター」は、同社のストーブに使っている独自ヒーターを採用。0.2秒で発熱し、食パン2枚を約2分で焼く。一気に焼くことで水分蒸発を最小限に抑えるという。白と緑の2色あり、市場想定価格は1万3824円。

■温度調整80度~250度まで

 象印マホービンの「こんがり倶楽部 ET-WM22」は、食材の中まで火が通りやすい遠赤外線ヒーターを上下に配置している。80度から250度まで温度調整が可能で、様々な調理に使える。前面のとびらや焼き網が取り外せるので、手入れもしやすい。希望小売価格は1万800円。

■油使わぬ揚げ物もOK

 シャープの「ヘルシオ グリエ AX-H1」は、同社のオーブンレンジ「ヘルシオ」と同じく、高温の水蒸気で加熱。トーストとベーコンや目玉焼きなど、違う食材を一度に調理できる。余分な油を落としながらの総菜の加熱や、油を使わない揚げ物もできる。市場想定価格は4万3200円前後。

※主なメーカーの商品から高級機を中心に選びました。価格はいずれも税込み。

(きりとりトレンド)

■ビックカメラでの売れ筋ランキング

①シィー・ネット SOT901L 1980円

②象印 ET-VH22 3880円

③バルミューダ ザ・トースターK01E 2万2900円

④アマダナ AT-TS11-W 2980円

⑤シロカ ST-131 4980円

⑥象印 ET-WM22 4870円

⑦タイガー魔法瓶 KAL-A100 3980円

⑧コイズミ KOS-07BK 2980円

⑨アラジン AET-GS13NW/CAT-GS13AG 9820円

⑩日立 HTO-CT30 4090円

(ビックカメラ全店での3月1~20日の販売台数上位。価格は税別の店頭価格)

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