読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

なつみ憂のブログ

主に本や映画について。高学歴ニート→Webデザイナー

ネットニュースラボの転職系記事からアフィリブログの書き方を研究する

ネットニュースラボの記事構成分析する

このブログとは別に、最近新しいブログを立ち上げた。そちらはアフィリエイトに力を入れていきたいと思っている。僕はSEOやWebマーケティングはそれなりに知識があるものの、ブログアフィリはそれなりに特殊かつ専門的な領域でライバルもかなり多い。だから世間の有力なブログやアフィリサイトを日々研究していくことにした。

f:id:thablue19:20170409223433j:plain

これはその第一回目となる。最初に研究するのは、有名アフィリエイターのWeb軍師氏による「ネットニュースラボ」だ。サイト発足から2年足らずで月の収益が100万円を超えているという。

アフィリエイトをやりたい人には役に立つはず

 以前からこの人のサイトはしっかり分析してみたいと思っていた。「どうやって読者を広告へ導いているか」「記事の構成はどうなっているか」を中心にメモ書き的にここに残しておく。基本的に自分の忘備録というかノートみたいなものだが、それなりに的確な分析となったのではないかと思う。アフィリエイトに関心がある人は是非読んでみて欲しい。

僕が勝手にやるブログ分析です

またこの分析は、僕が勝手に読み取ったことだ。著者のWeb軍師氏は全く意識していないことが多く書かれているだろう。しかしそれは問題ではないと思っている。重要なのはWeb軍師氏がアフィリエイトで成功していることだ。「彼が実際にどんなブログを書いているか、第三者の目でみてどんなことが浮かび上がってくるか」を調べるためにこの分析は行われることになる。

サイト全体を研究するのは大変すぎる。今回は「会社を辞めたい新入社員は我慢せずに3ヶ月で辞めればいい」というページに絞って分析することにした。理由はまず求人サイトの広告が貼られたわかりやすいアフィリ記事であることが1つ。あと最近の記事なので、Web軍師氏のノウハウが集約されている可能性が高いと思った。

基礎データ

URL : http://netnewslabo.com/post-4325/ 

字数 : 9000字弱。

記事の目的 : 会社を辞めたいと思っている新卒社員の悩みに答える。そのうちの一定数の読者に求人 / 転職エージェントサービスへの申込みをさせる。

 

記事部分

ページ全体はざっくりいうと、2部構成になっている。つまり「記事」 + 「広告」となっている。記事は読み手の悩みに答え、寄り添いつつ、後半に来る広告のためのお膳立てがなされている。

まずはその記事部分を詳細に分析してみる。

1. 導入

最初の段落はかなり重要である。読み手によってはこの導入部分を読んで離脱してしまうこともある。すぐに去られてしまうと、ページの目的を果たせず、SEO的にもよろしくない。

何気なく書かれている導入の数百文字を3段階で分析してみると、非常に巧妙に書かれていることがわかる。

ターゲティング

「4月入社の新卒の皆さん、元気に会社に通っていますか?」

という語りかけによってターゲティング。4月入社の新卒社員の心をここで掴む。

共感 / 同化

「多くの人は5月病に陥ります・・」

「こんなクソ会社にいても全く意味が無いんじゃないか?」

など、ターゲット読者が思っているであろう悩みを提示、それに対する共感を表明し、読み手を惹き付ける

自己開示

「ちなみに私も新卒のときはそんな感じでしたが・・」

書き手の存在感を示し、読み手に信頼感を与える。

ターゲティング・共感 / 同化・自己開示の3段階によって、読者との個人的な関係を構築しようとしていることがわかる。読み手が広告をクリックし、サービス申込みまで行くためには、このページの著者に対する個人的な信頼が不可欠である。記事のド頭で、それをしっかりと意識した内容が示されている。

 

2. 揺さぶり

「今では会社経営者として日々楽しく仕事をしています。」

「収入もサラリーマン時代とは文字通り一桁違ってきました」

のように、書き手の成功を示す。読み手に「この人はすごい」と思わせることによって、記事を最後まで読んでくれるようにしている。

これはある種、アクション映画の冒頭で観客をびっくりさせる爆発シーンに近いのではないか。記事の最初で最低限の信頼を獲得した上で、このようなプラスの揺さぶりを与えることで、記事をしっかり読ませるようにしている。

 

3.寄り添い

「辞めてもどうにかなりますよ」

「特に大きなリスクはありませんね」

のように、読み手が言ってほしいことを予めの結論として言う。この先はしばらく、この結論に対する根拠の開示となる。

4.リアリティ

「当然リスクはある」

「ダメージはあるに決っている」 

あまりに寄り添いの言葉が並ぶと嘘くさくなってくる。いったんここで現実を提示し、記事全体の信憑性を増す。

5. 幻惑

「世の中の多くの人は、変化しないことのリスクを甘く見すぎている、というのはあると思います。」

「う◯この上に3年いたら、もう下半身にう◯このにおいが染み付いて取れなくなりますよ。」

ここで記事の最初の山場が来る。ポップソングで言うとサビの様なところだ。

とにかく理屈で畳み掛ける。論理のすり替えや心に響く比喩表現、アナロジーや格言を多用して読み手を文章に引き込む。書き手としてのセンスが発揮される部分だ。

「やばいと感じて新卒1年未満ですぐに転職して、その後、次の会社でずっと働いている知り合いもいますよ。」

ある程度の理屈を並べた後、ダメ押しのようにリアリティのある事例を示す。読み手が見たい現実だけを見せる。

 

6. 仕掛け

ここで広告に読み手を導くための仕掛けを予め施す。時限爆弾のようなものである。あとから効いてくる。

「上司や親に相談するのは無駄です」

「唯一相談すべき先があるんですが、それは後ほど詳しく説明します」

「転職エージェント広告を利用すべきである」という結論のための論理を組み立て始めている。

7. 想像させる

「所属している企業には大きな迷惑をかける」

「仮に給与の手取りが20万円として、会社はあなたにおよそ月50万程度は使っています。」

実際に退職するとどうなるか?を具体的なデータとともに提示。退職後の姿を強くイメージさせる。

僕は営業の仕事をしたことは無いのだが、営業トークの基本として「この商品を使うとどんな良いことがあるか」を客にイメージさせることが重要だと聞いたことがある。ここはそれに該当している。

8. 幻惑

ここで2回目のサビ来た。理屈を重ねて読み手に再び安心感を与えつつ、書き手の世界に巻き込んでいく。

「自分のわがままで他人にものすごい迷惑をかけるわけだから、そこだけはしっかり自覚すべきですね。自覚した上で、それを自分で飲み込んで進んでいけばいいんです。」

9. 確認

「私はそれでも新卒は3ヶ月で辞めていいと思います。」

そもそもなんの話だったかをここで再確認。話が散逸して読み手の意識が逃げないように、あらためて記事の趣旨を再度示しておく。

10. 想像させる

ここで再度想像させる。記事の目的は読み手を転職活動させること。会社を辞めたらどんな良いことがあるかを具体的に想像させて、転職へと意識を向かわせる

「今後はどうしますか?転職活動しますか?海外に行きますか?フリーターですか?起業しますか?ニートですか?」
「退職後1年で投資で利益1,000万円までいきましたよ。」

11. 幻惑

3回目のサビ。もし失敗したとしてもそれは考え方によってはプラスになる、という理屈をつくりつつ、外堀を埋めていく。

「実はブラックはブラックでいいところもあって、素早くスキルを磨くには最適でしたよ。」

「ブラック企業も何気に存在意義があるんですよ。」

 

12.寄り添い

広告ゾーンに入る前に、改めて読み手を安心させる。ここまで音楽の比喩を使ってきたけど、本当にJ-POPの歌詞のような言葉が出てき始めた。

「人生に正解は無い」

「自分が決めた道で全力でやってみるしかない」

 

13. 確認

ふたたび記事の趣旨に戻る。広告導入というシュートの手前のラストパスだ。

「会社を辞めたい新入社員は我慢せずに3ヶ月で辞めればいい」

 

広告部分

14. 広告への導入

ここまで積み上げてきた論理と信頼をベースとして、いよいよ広告の紹介に入る。

必ず実行して欲しいことがあります。それは、「転職エージェントに相談する」ということです。前述した「相談すべき先」というのはこれですね。

「6. 仕掛け」で仕掛けた時限爆弾がここで爆発する。「必ず実行して欲しい」というかなり強い呼びかけがある。 しかし、ここまでの文章で書き手の同化した読み手であれば、「必ず実行しなきゃ」という気持ちになる可能性が高い。

断言 + 条件で読み手を惹き付ける

その後、書き手は自分が転職を繰り返しながら年収を上げ、その際に必ず転職エージェントを使ってきたことを強調する。「転職エージェントに頼ればどうにでもなる」というかなり強い言葉も出てくる。その一方で、「若ければ」という条件もつけている。新卒の若いサラリーマンであれば、大きな希望を持つことだろう。非常に上手い。

ふたたび幻惑する

「あなたが若いのなら、転職エージェントを使えば絶対大丈夫」という事を、様々なファクトと理屈の構築でアピールしている。

ここでも前段のように、「転職エージェントの万能性」を示しつつも、「あなたが若ければね」という条件を付与している。この構成であれば、もし実際に読み手が若ければ、かなり心に響くだろう。

 

ハードルを下げる

むしろ面接のアドバイスや職務経歴書の添削だけに利用しても問題ないです。

転職サービスへの登録すると、いろいろ面倒くさいことが起こりそうである。それを打ち消すために、ライトに利用できることもアピールしておく。

 

15. コンバージョン対策

広告をクリックしてもらっても、実際に問い合わせや新規登録まで行ってもらわないと報酬が発生しない。なのでここでもかなり強い言い回しがなされる。

私は毎回最低3社は登録していました。
めんどくさがらずに絶対に複数登録しておくべきです。

 

16. 広告

やっとここで実際の広告が来る。

バナー広告 + その転職サイトの特徴説明 + テキストリンクというスタイル。それぞれの転職サイトのメリットが簡潔に分かりやすく説明されている。

 

まとめ

記事部分

序盤で読み手を記事に惹き付ける。その後は読み手を揺さぶっていく。現実と理想を行ったり来たりしつつ、最終的にどうすれば良いかを広告部分に結びつける。

構造はポップソングに近い。盛り上がる部分と、そのお膳立て部分がある。盛り上げ部分では、読み手を惹き付けるメタファーや、畳み掛けるような論理構築が見られる。これを周期的に繰り返し、書き手と読み手の関係性が構築されていく。

また、途中で広告部分の予告が成されている。これがあとから効いてくることになる。

広告部分

ここにははっきりとした戦術がみられた。「断言 + 条件」だ。具体的には「転職エージェントに頼れば最高 + あなたがもし若ければ」という構造だ。

断言の部分だけではかなり嘘くさい。だが条件が加わっていると信憑性がぐっと増す。その条件に合致する読み手であれば、断言部分 = 転職エージェントを頼れば成功できるという事を信じる気持ちがかなり煽られるだろう。

 

ざっとこんな感じだった。のちのち役に立つことを祈りつつ、別のサイトの研究に移る。