【カイロ=飛田雅則】エジプトで9日、キリスト教徒の一派、コプト教の教会で相次ぎ爆発事件が起きた。カイロの北方にあるタンタと、沿岸の主要都市アレクサンドリアの教会で爆弾が爆発し、多数の犠牲者が出た。同日、過激派組織「イスラム国」(IS)の系列ニュースサイトはISの兵士が実行したと伝えた。
9日はキリスト教の祝日「聖枝祭」で、多くの信徒が教会で礼拝中だった。BBCなどによると、アレクサンドリアの教会では11人、タンタの教会では25人がそれぞれ死亡したもよう。負傷者も出ており、被害は拡大する可能性がある。
エジプトのシナイ半島ではIS系の過激派がたびたび警察や軍隊などを攻撃。シシ大統領はテロ対策を強め、テロリストの掃討作成を強化していた。過激派の多くがシナイ半島から退避し、エジプト国内に広く潜伏しているという。
先週の訪米でもトランプ大統領からテロ対策での協力を取り付けたばかり。反発を強めるISなどイスラム過激派は、米・エジプトの関係を揺さぶる狙いのようだ。