さらに、文在寅氏には「中国のTHAAD干渉に正当な理由はあるのか」という根本的な問題に対しても目を向けてほしい。これまで中国が主張してきたTHAAD反対の名分にはすべて、科学的・軍事的根拠がないことが判明した。THAADレーダーによる中国監視の可能性もこじつけに過ぎない。米軍がレーダーの電波の方向を北朝鮮ではなく中国側に少しだけ向けたとしても、中国は電子支援対策(ESM)を通じて電波の種類や発射位置をすぐに知ることができる。中国のTHAAD報復は、韓米同盟に干渉して決定を覆す前例を作り、究極には韓米同盟を破たんさせようというものだ。しかも、中国国防省は「THAAD反対は言葉だけでは終わらない」と脅すことも辞さない。「弱い国は踏みにじってもいい」という中国の覇権的行動に対し、韓国大統領選の候補なら強く抗議するのが当然だ。中国が一番望んでいるのは韓国の内紛だ。文在寅氏が今月4日の公認候補受諾演説で述べたように、今は「国民が一つにならなければいけない時」なのだ。