仁川地裁は6日、軍隊での同性愛行為を処罰すると規定した軍刑法について、憲法裁判所に違憲審判を請求したことを明らかにした。憲法裁は昨年7月、同様のケースで合憲判断を下しているが、1年もたたずに再び軍隊内の同性愛処罰条項が憲法裁の審判に付された格好だ。
今回のケースでは、兵役中のCさんが2015年、同僚兵士Kさんの性器を数回触ったとして起訴された。軍刑法が同性間の性交、その他のわいせつ行為に及んだ者を2年以下の懲役に処すと定めている。2人は裁判で「合意に基づく行為だ」と主張した。
仁川地裁は違憲審判請求の決定文で、「その他のわいせつ行為」という部分が具体的にどのようなわいせつ行為を指すのか明確ではないため、違憲の余地が大きいと指摘した。刑罰の明確性という原則に反するという趣旨だ。仁川地裁は「ジェンダー・アイデンティティ(性自認)を兵役免除の免除理由として認めず、兵役を強制しておきながら、軍人間の合意に基づく性行為を禁止するのは性的自主決定権を侵害するものだ。同性間の性交が軍に与える直接的な危険があるとも見なせない」と指摘した。仁川地裁はさらに、「軍刑法の条項は異性間の性行為は正常と見なし、そうではない性的マイノリティーの行為は非正常なものと見なしており、平等の原則にも反する」とした。
憲法裁は2002年、11年、昨年の計3回にわたり、軍隊内での同性愛行為禁止を合憲とする判断を下している。ただ、02年には合意6、違憲2と合憲意見が圧倒的だったが、11年には合憲5、違憲4と裁判官の判断が分かれた。