明美さんはタケちゃんに、何でも言いやすいんだろうなと思います。ふたりのシーンも多いし、ぽろっと本音をこぼしたりもしますよね。
それはなぜかと考えたら……、心の距離が近いというより、ご近所さんのよしみっていうのがあるのかも(笑)。タケちゃんはキアリスの奥の部屋で寝泊まりしていて、私は2軒隣のあさやさん。歩いてすぐの距離感なんで、なんだか親近感が湧いてます。私自身は、タケちゃんを演じる中島さんと同い年の弟がいることもあって、しゃべりやすいというか。心の垣根が低くなってる気がします。
そしてタケちゃんといえば大分ことば。なじんできましたよね。失礼ながら、耳慣れなくて最初はちょっと笑っちゃったんです。だけど、どんどんキャラクターが際立ってきて、最近は編集された映像を見るたびにちょっと悔しいなぁって思っています(笑)。
明美さんの悲壮感みたいなものは、最初から気になってるんですよね。知るほどにほっておけないし、助けたくなっちゃうんです。似ている境遇に共感するところもあるのかも。15歳ながら、なんとか明美さんを守りたい。これは男気です!若いのにカッコいいなぁ、と僕は思ってます。
明美さんとのお芝居は、すごく楽しいんです。「どうしたらこの人を笑顔にできるだろう?」とずっと考えながら演じています。難問です(苦笑)。芝居中は明美さんの顔を直視できないですが、モニターチェックするときに、僕の芝居をドンと受けてくれる明美さんの度量に気づく。そこにドキドキします(笑)。
最大にドキドキしたのは、「30分後にうちに来て」のシーン!手に汗かいて訪ねたら、おいしいごはんが出てきました(笑)。だしがめちゃくちゃおいしいんです。あれを出されたら、さらにホレますよね。完全に胃袋つかまれました。
台本を読んでから、ずーっと楽しみだったシーンです。ストレートにぶつけました!
前の酒場のシーンで夫婦みんなが会話しているとき、僕自身さみしかったんです。ふと隣を見たら明美さんがいない。追いかけて、「今しかない!」って、ずっと秘めていたことを言っちゃって。で、後悔するっていう(苦笑)。
明美さんの後ろ姿を見送りつつ、頭が真っ白でした。
僕の妄想としては、「もしかしたら明美さん、好きになる気持ちを抑えてるんじゃないかな?」って思ってます。でも、「いくつちゃうと思うてるの」ってズバリ言われてしまい……。だけど、流されてるのはいつものことなんで、気にしてないです。
ずいぶん遠くから名前を叫んでくれたから、昔のトレンディードラマを思い出しました(笑)。思わず、近くで聞いてあげたくなりました。とはいえ、本人の前でさらっと流しちゃってるんですよね。「あ〜うれし!」みたいな。
私は、それが明美の優しさなんだろうな、と思っているんですけどね。ドラマには描かれていないけれど、明美さんにもかつて、ちょっと切ない恋があったのかもしれないな。
でも、あんなふうに名前を叫ばれたことってなかったので、ちょっとうれしかったです。タケちゃんの素朴な雰囲気も相まって、キュンとする感じでした。ただ、「家庭を作りたいんじゃ」の言葉には、あまりの熱量に「おぉぉぉ」となりましたけど(笑)。