スペイン・バスク地方の過激派組織、8日に完全武装解除

フランスとスペイン両国の警察の連携は多くのメンバーの逮捕につながった Image copyright Getty Images
Image caption フランスとスペイン両国の警察の連携は多くのメンバーの逮捕につながった

スペイン北部バスク地方の過激派組織、「バスク祖国と自由」(ETA)が8日にすべての武器を当局に引き渡すと表明したことが、6日までに明らかになった。

BBCが入手した4月7日付の書簡には、「すべての武器と爆発物をバスク市民社会の代表に明け渡した後、ETAは非武装組織となる」と書かれている。しかしその上で、「手続きは終わっていない」と警告し、「武器を放棄するのは明日だ」とも述べている。

ETAは書簡で、「平和の敵からの攻撃はまだあり得ると、警告しておきたい。唯一本当に成功を保証するのは、明日バイヨンヌに集まる非武装化を支持する何千もの人々だ」と述べた。

Image caption BBCが入手した書簡には「平和と自由を達成する」のはバスクの「市民社会」だと書かれている

フランスとスペインの警察は近年、ETAを厳しく取り締まり、組織幹部を含む何百人もの戦闘員を逮捕し、武器の多くを押収していた。

ETAの非武装化をめぐって、フランス側のバスク地方に属する同国南西部の都市バイヨンヌでの8日の動向が注目されそうだ。

スペインのメディアは、警察による相次ぐ摘発が成功しているため、ETAの手元に残る武器は少ないのではないかと指摘している。

仏紙ル・モンドは先月、環境保護団体でバスク独立運動を支持する「ビジ」という集団の関係者談として、「ビジ」がETAを武装解除する使命を与えられたと報じた。

スペインのフアン・イグナシオ・ソイド内相は、武装解除との引き替えにETAには何も与えないと述べた。ル・モンド紙の報道を受けて同内相は、「ETAは、解散して消え去る必要がある」と語った。


<解説>ガイ・ヘッジコー記者、マドリード

2011年10月にETAが武力闘争をやめると発表した後、次の論理的な展開は武装解除だった。これだけ時間がかかったのは、武装解除の引き替えに何も与えないという英仏両政府の対応のため、ETA構成員の多くが武器の明け渡しをためらったからだと思われる。

ETAによる「手続きは終わっていない」という主張は、将来譲歩が得られるという彼らの期待を浮かび上がらせている。特に、刑務所に収監された400人近いメンバーを、家族に近い刑務所に移転してもらいたいという期待は強い。

しかし、両国政府の約束がないとみられる状況下で、武装解除は大胆な動きだ。ETAが最終的な解散へと道を開き、バスク社会に一定の和解をもたらすかもしれない。

ETAの武力闘争の放棄で重要な役割を果たしているのは、バスク独立運動を支持する左派指導者、アルナルド・オテギ氏だとみられている。オテギ氏はETAと関係を理由に、複数の禁錮刑を受けた。しかし、収監中のETAのメンバーの一部は昨年、オテギ氏が彼らをめぐる交渉で譲歩しすぎだと批判した。


Image caption バイヨンヌ(Bayonne)の位置

(英語記事 Eta: Basque separatists plan to unilaterally disarm on Saturday

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