蹴球探訪
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【プロ野球】ノーヒッターあと2人広島・加藤2017年4月8日 紙面から
◇広島4−1ヤクルト広島の先発加藤がプロ初登板で勝利を挙げた。荒れ球が奏功し、完投こそ逃したが9回1死まで無安打に抑えた。打線は1回に新井の二塁打で先制、3回に小窪の適時打で2点を追加。1分けを挟んで5連勝。 はにかみながら右手でウイニングボールを掲げた。初登板初先発で初勝利を挙げ、お立ち台に上がった広島・加藤に、真っ赤に染まったスタンドから「カトウ」コールが降り注いだ。「ほっとした。初めは緊張していました。何とか勝てるように最後まで投げたかったけど、勝ててよかった」。表情を崩し、声援に応えた。 最速151キロの直球とフォークを武器に真っ向勝負を挑んだ。四球で再三走者を出しながらも、快打は許さない。無心で投げ続け、気がつけば8回終了まで無安打零封。1987年8月9日・巨人戦(ナゴヤ)の中日・近藤真一以来となる新人初登板でのノーヒットノーランの快挙に迫った。 9回。1死から山田に四球を与えた。続くバレンティンへの132球目のフォークは甘く入り、三遊間を破られた。「こんなもんだろうと思いました。(守備陣に)いいプレーをたくさんもらっていたので、そんなに甘くないと思いました」。雄平に右前適時打を浴びたところで降板。ただ、悔いなど微塵もない。 開幕ローテ入りを逃したが、ジョンソンが体調不良で登板を回避し、急きょプロ初先発の機会が巡ってきた。東京に住む両親は応援に駆けつけることはできなかったが、自宅で観戦。前日には母・裕子さんに初登板が決まったことをメールで連絡し「よかったね」と励ましの言葉をもらった。勇気を持って投げた135球。「大きな仕事をしてくれた。素晴らしい度胸ある投球を見せてくれた」。緒方監督も右腕の熱投に賛辞を惜しまなかった。 不断の努力が初の大舞台で実った。「背も大きくないですし、(体の)バネもない。補うためには体の力を付けるしかないので」。ウエートトレーニングやヨガ、鶏肉を中心とした食生活など野球につながると考えたものには積極的に挑戦してきた。次回登板はジョンソンの状態次第となるため未定だが「自分のできることをやるしかない。四球など課題もあるので、次に向けて修正したい」と加藤。前だけを見据えるルーキーの進化はとどまるところ知らない。 (井上慎也) PR情報
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