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【首都スポ】

[大学サッカー]明大主将・木戸皓貴 昨年の教訓生かし今季こそ3冠!!

2017年4月7日 紙面から

昨年果たせなかった3冠を目指す明大の新主将・木戸皓貴=東京都世田谷区の明大八幡山グラウンドで(武藤健一撮影)

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 4月15日に開幕する第91回関東大学サッカーリーグ戦(東京中日スポーツ後援)に向け、昨季の1部リーグ上位6校の新主将に今季の抱負を連載で聞いている。題して、「リーダー蹴春トーク2017」。最終回となる今回登場するのは前回王者である明大のFW木戸皓貴(4年・東福岡)だ。Jクラブも注目する絶対的エースは2度にわたる負傷を乗り越えての自身の復活とリーグ2連覇の達成に意欲を見せる。 (取材・構成、関孝伸)

◆「俺がいく」

 −明大の主将は基本的に新4年生の話し合いによって決定されます

 木戸「みんなで意見を出し合う中で、カイ(柴戸海、市船橋)か僕だろうということにまずはなって、最終的にはカイと僕の2人で直接話し合って決めました。自分がチームを引っ張りたい気持ちがあったので、カイには『俺がいく』と言いました」

 −正式には、新4年生が出した結論を監督以下のチームスタッフが承認する形で決定しました

 「自分がやると言ったわけですけど、正式に決まったときは正直こわかったです。明治の主将は重みがありますし、去年の成績が良かった分、それを超えなくてはいけないと思うと、プレッシャーもすごくありました。でも、そういうことから逃げてはダメですし、逆に去年よりもいい成績を残せば、今までで一番いいキャプテンと言ってもらえるかもしれないと、前向きに考えました。

 それに、何かあっても自分一人で抱え込む必要はないんです。仲間が助けてくれると信じましたし、今も信じています」

◆ノート作りから

 −主将を務めるのは中学のとき以来とのことですが、どんな主将を目指していますか?

 「まずはキャプテンノートをつくって、主将としてするべきことを10個くらい書き出してみました。内容としては、声やプレーでチームを常に鼓舞する、みんなの意見を尊重する、嫌われてもいいから厳しいことを要求できる存在になる、自分自身がブレないといったことなどで、そういう主将を目指しています」

◆一歩引き外から

 −木戸選手は一昨年が右膝の前十字靱帯(じんたい)損傷、昨年が左膝の同じ負傷と、2年続けて夏の総理大臣杯全日本大学トーナメントで大けがを負ってしまいました。つい先日までリハビリ中でしたが、戦列を離れていながら主将を務めることの難しさを感じませんでしたか?

 「プレーで引っ張ることができないもどかしさはありました。ただ、一歩引いて外から見ることでわかる点もありましたし、いいアドバイスができたと思います」

 −リーグ開幕に向けてのチームづくりは順調に進んでいますか?

 「リーグ戦の前に天皇杯予選があって、順調に勝ち進んでいます(8日決勝)。課題はまだありますけど、勝っているので、チームの調子はいいかなと思っています」

◆慢心をなくせば

 −昨季の明大は総理大臣杯とリーグ戦を制し、2冠に輝きました。今季の目標としてそれを超えるには、全日本大学選手権でも優勝しての3冠しかありません

 「今季の目標はもちろん3冠獲得です。去年のチームは、年間を通して一人一人が意識を高くもち続けて、毎日の練習の成果をしっかりと積み重ねていきました。毎週行う学生ミーティングで全員の意識を統一できたのも大きくて、そういったことが2冠につながったと思います。今年も『まぁ、勝てるだろう』という慢心をなくして積み上げていけば、結果はおのずとついてくると考えています」

◆気の緩みあった

 −優勝候補の筆頭として臨んだ、昨年の全日本大学選手権で敗れた原因はどこにあったのでしょうか?

 「『勝てるだろう』という気持ち、甘さみたいなものがどこかにあったのだと思います。史上最速でリーグ優勝を決めたために、そこからインカレ(全日本大学選手権)までに間隔が空いて、インカレのときには結果的にチームの質が落ちていたというのもあります。気の緩みが間違いなくあったので、今年は僕が中心となって、絶対にそうならないような投げかけをしていきます」

◆上積みができる

 −質の高さを毎日続けているのが明大の練習の特長です。それを貫きさえすれば、3冠が見えてくるということですね?

 「勝つためには、一日一日の練習が絶対だと考えています。目標を達成できるかどうかは、自分がやるべきことに対して、全員がどれだけ『忠実』に本気で毎日取り組めるかにかかっています。一つ一つのプレーにもっとこだわっていけば、去年のチームよりも上積みができますし、3冠を取れると思っています」

 −木戸選手が先発に復帰するのはゴールデンウイークあたりになりそうですが、一選手としての意気込みを最後に聞かせてください

 「得点することでチームを引っ張りたいというのももちろんありますけど、けがをして外から見ている間にみんなの特長が改めてよくわかったので、周りの選手をもっと生かしてあげたいなとも考えています。リーグ戦の数字としては、15得点8アシストを目指します」

◆木戸ア・ラ・カルト

 ▼2度目の大けが すべてに自信を失い、精神的に相当落ちた。福岡の病院で診察を受けた後、明大の寮に戻りたくないとさえ思った。「みんなに気を使われるのが嫌でした。それで帰りたくなかったんです。でも、実際に戻ってみたら、普通に接してくれたのでうれしかったです。また頑張ろうという力になりました」

 ▼リハビリ中のリフレッシュ 明大の先輩でもある日本代表DF長友佑都が推奨していることがきっかけとなり、ヨガに取り組んだ。「ヨガの何がいいかって、とにかく気持ちが落ち着きます。気分転換には最高です」

 ▼親戚の少年とボール蹴り 寮の近くに小学生の親戚がいて、その子もサッカーをプレーしている。「(自身の)けがが治ったので、また一緒にボールを蹴ることができるようになりました。僕は兄貴と二人兄弟なんですけど、弟がほしいと思っていました。だから、年下の子どもとサッカーをやるのはメッチャ楽しいです。かわいいです」

<木戸皓貴(きど・こうき)> 1995(平成7)年6月28日生まれの21歳。熊本県益城町出身。176センチ、75キロ。熊本市のドレミリズム保育園年少組のときに、ながみねファミリーYMCAでサッカーを始めた。木山ジュニアサッカークラブから熊本ユナイテッドSCを経て東福岡高へ。同校では2年生でレギュラーになり、3年時にはU−18日本代表候補入りしたほか、日本高校選抜のメンバーにも選ばれた。明大では1年時から出場し、関東大学1部リーグ通算24試合7得点。全日本大学選抜候補。

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