問題は韓国だ。国際舞台で「韓国」の姿が見えなくなってからすでに5カ月が過ぎたが、その間にトランプ大統領が就任し、そのトランプ大統領は駐韓米国大使を今なお指名していない。われわれはこれらの事実を軽く受け流してはならない。また一方の中国は韓国に対し、米国の最新鋭地上配備型迎撃システム「高高度防衛ミサイル(THAAD)」が配備されることへの報復を今なお続けている。通常なら米中首脳会談の前に韓米両国が中国の態度について意見を交換していたはずだが、現状では韓国は全てを米国に委ねて待つしかない状況に置かれている。一部では今回の米中首脳会談について、かつて韓国が排除された状態で行われたヤルタ会談のように見なす声もある。米国と中国はいずれも世界地図をどう描くかについて意見を交換する大国だ。このままでは韓半島の運命がいつどう変わるかも分からず、そのような中で行われる今回の重大な会談について、韓国が何もできないままただ眺めることしかできないのは非常に深刻な問題だ。
米上院軍事委員会のマケイン委員長を含む26人の上院議員は4日、中国に対し「韓国へのTHAAD報復中断」を要求した。THAADは何よりも在韓米軍とその増援部隊の保護を目的に配備される。在韓米軍の保護はもちろん韓国の安全保障に直結するが、THAAD問題では米国も当事者であることは間違いない。そのため中国が韓国に報復すれば、これは最終的に米国と対決する結果がもたらされる。トランプ大統領は習主席にこの点を明確に伝えなければならない。
一方で現在、韓国で大統領選挙に出馬している候補者たちは、1カ月後には大統領府に入ってこの国のリーダーになることを目指している。彼らがこのように急変する韓半島情勢、そして米中首脳会談についてしっかりと認識できているのか気になるところだ。