その後も1979年の朴正熙(パク・チョンヒ)大統領暗殺事件、1980年の5・18民主化運動(光州事件)、1987年の6月民主抗争など、韓国で多くの銃弾や催涙弾が飛び交った時に世界のメディア関係者が韓国にやって来た。また北朝鮮の核問題が世界から注目され、韓半島に戦争の雰囲気が高まった時も記者たちは集まったが、今のところ核問題で戦争は起こっていない。4年前にも核問題で緊張が高まったが、各国の記者たちは当時人気だったPSYの「江南スタイル」公演を紹介して帰った。ワシントンポスト紙に掲載された記事には「韓国で北朝鮮の核問題は芸能人のスキャンダル、柳賢進(リュ・ヒョンジン)のメジャーリーグ・デビュー、桜の開花などとトップニュースの座を争っている」と紹介されていた。彼らには核問題を深刻に考えない韓国のほうがむしろ異常に見えたのだろう。
900万人が視聴するといわれる米NBCニュースの看板キャスターが数日前、韓国の米空軍基地で北朝鮮の核問題について報じた。このニュースでは当然先制攻撃についても言及され、15年にわたり世界の戦場を取材したというある有名特派員もこの取材に同行していた。1994年の第1次核危機や2010年の延坪島砲撃の時も世界の記者たちは韓国に集まった。彼らは韓国で戦争の危機が高まるたびに訪れるため、われわれは彼らが来るとむしろ複雑な気分になる。しかし彼らに重要な記事のネタを提供するのは北朝鮮だ。この点はわれわれにはどうしようもないことだ。