現代の茶陶
会期:平成29年1月2日(月)~3月12日(日)
茶陶とは、茶碗や水指など、お茶席で用いられるやきものの総称です。桃山時代に千利休が侘び茶を大成すると、楽焼や美濃焼、備前焼など国産の茶陶が隆盛を迎えます。江戸時代には大名、商人が茶事を嗜み、京焼や萩焼をはじめ茶陶の生産が各地に広がりました。
近代では、昭和の始めごろから、美濃の荒川豊藏や備前の金重陶陽などの、伝統的な産地で活動する個人作家たちが、自身の表現としてその制作に取り組みはじめます。 戦後、これらの作家が重要無形文化財保持者(人間国宝)の認定を受けたことや、日本伝統工芸展の開催などをきっかけに、個人作家による茶陶の制作はますます広がりを見せます。志野の鈴木藏や備前焼の伊勢﨑淳は、産地の伝統的な技法に、新たな造形表現を取り入れた作風を展開します。
さらに近年では、産地や窯元などの背景を持たない作家たちが、茶陶を自身の創作へと積極的に取り入れています。竹村友里や桑田卓郎ら若手作家は、茶碗の形状を活かしつつ、流れるようなフォルムで側面を形作った作品や、伝統的な梅華皮の技法を肥大化した作品など、これまでの茶陶の形や制作上の制約を逆手に取った、新しい感覚の茶陶を生み出しています。
本展では、重要無形文化財保持者から現代の若手作家まで、戦後の茶陶の展開を132点の作品によってご紹介します。進化を続ける茶陶の「今」を、ぜひご覧ください。
会期 | 平成29年1月2日(月)~3月12日(日) |
---|---|
会場 | 茨城県陶芸美術館 地階企画展示室 |
開館時間 | 午前9時30分から午後5時まで(入場は午後4時30分まで) |
休館日 | 月曜日(ただし1月2日(月)、9日(月)は開館し、10日(火)休館) |
主催 | 茨城県陶芸美術館 |
助成 | 芸術文化振興基金 |
観覧料 | 一般720(570)円/高大生510(410)円/小中生260(210)円 ※( )内は、20名以上の団体料金。 ※満70歳以上の方、障害者手帳、療育手帳をお持ちの方及び付き添いの方(ただし1人につき1人まで)は無料。 ※土曜日は高校生以下無料。 |
主な作品
桑田卓郎 白金彩灰釉垸 2010年
三輪壽雪「鬼萩割高台茶碗」1998年 当館蔵
福島武山「赤絵観瀑文茶盌」2015年
十五代樂吉左衞門「焼貫黒茶碗 青狸」1993年 当館蔵
齋藤まゆ「鳥」2015年
水元かよこ「うさみみPOP」2016年
東香織「かい」2016年
植葉香澄「色絵水指」2010年
当館寄託
佐藤典克「縒(より)」2013年
関連催事
本展出品作家と当館館長による座談会
造形作品や料理の器など、様々な分野の作品を中心に制作する作家たちが、自身の茶陶制作に関する思いや、茶陶の魅力について語り合います。
- 開催日時
- 平成29年1月28日(土)13:30~15:00
- 場所
- 当館1階多目的ホール(聴講無料)
- 講師
- 佐藤雅之氏、穂髙隆児氏、澤田勇人氏、Kei condo氏、金子賢治(当館館長)
- 定員
- 120名(先着順)
呈茶会「本展出品作家の茶碗で一服」
出品作家の茶碗でお茶を飲んでみませんか? 波山旧宅(再現)を季節の室礼で彩ります。
- 開催日時
- 平成29年1月22日(日)正月 祝いの席
2月25日(土)節分 福々の席
3月12日(日) 上巳 桃の席
時間 10:00〜/11:00〜/12:00〜/13:00〜/14:00〜 各回10名ずつ - 会場
- 当館屋外 板谷波山 田端旧宅・工房(再現)
- 席主
- 海老澤宗香氏
沼尻宗真氏(ウェブサイト) - 参加費
- 500円
- 定員
- 各日とも先着50名。事前予約も可能です。詳細はお問い合わせ下さい。
高校生による呈茶会
県内高校の茶道部がたてたお茶をお楽しみください。
- 開催日時
- 平成29年2月12日(日)(笠間高校茶道部)
2月26日(日)(水戸桜ノ牧高校茶道部) - 場所
- 当館地階オープンギャラリー
- 定員
- 50名(先着順)
- 参加費
- 200円
※日程、参加校等は変更になる場合があります。
音声ガイド
会期中は入口にて県立高校の放送部員がナレーターを務める音声ガイドの貸し出しを実施しています。
- 使用料
- 無料
- 協力
- 水戸第一高校
水戸第三高校
笠間高校
各放送部
ギャラリートーク
※展覧会チケットが必要です。
- 日時
- 平成29年1月14日(土)・3月4日(土) どちらも13:30~
- 内容
- 担当学芸員が展覧会をご案内します。
ワークショップ「手びねりで世界に一つだけの茶碗を作ろう」
- 開催日時
- 平成29年2月4日(土)10:00~15:00
- 好評につき受付を終了いたしました。たくさんのお申し込みありがとうございました。
「わび茶でおもてなし」 ~茶道未体験のかたへ~
「茶道」とか「お抹茶を点てる」ことに少しは興味があっても、 実際にお茶を習うとなると時間がなかったり、「わざわざそこまでしなくても・・・」と思ってしまう方は、 意外に多いのではないでし ょうか? そんな方々にぴったりなのが、このワークショップです。
(2)花を生けながら、お茶のこころともいえる「わび」を体感・発見していただきます。
ご自宅で花を生け、お茶を点てることが楽しくなるようなワークショップです。
- 開催日時
- 平成29年2月11日(土)・3月5日(日)いずれも13:00~15:00
- 会場
- 当館屋外 板谷波山 田端旧宅・工房(再現)
- 講師
- 海老澤宗香氏
沼尻宗真氏(ウェブサイト) - 定員
- 各日とも10名(先着順)
- 対象
- 高校生以上
- 参加費
- 1,000円
- 申込方法
- 電話またはFAXにて(事前申込)
※休館日は受付できません。
関連ドキュメント
交通案内
電車 | JR常磐線で上野駅〜友部駅(特急70分)友部駅から 「かさま観光周遊バス」(料金100円、定員36名)で20分。友部駅でJR水戸線に乗り換え笠間駅(9分)下車、笠間駅からタクシーを利用して5分。 |
---|---|
車 | 北関東自動車道、友部インターから10分、笠間西インターから15分。 常磐自動車道、岩間インターから25分、水戸インターから30分。 |
駐車場 | 笠間芸術の森公園北駐車場(300台)をご利用ください。 |