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「Ryzen」に最適化したWindows 10用電源プランをAMDが公開。ユーザーはぜひ導入しよう
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印刷2017/04/07 18:29

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「Ryzen」に最適化したWindows 10用電源プランをAMDが公開。ユーザーはぜひ導入しよう

Ryzen
 北米時間2017年4月6日,AMDは公式blogで,CPU「Ryzen」の性能を引き出せるよう最適化したというWindows 10用の電源プラン設定「AMD Ryzen Balanced」(以下,Ryzen Balanced)の配信を開始した。

 Ryzen Balancedの配信は,2017年3月に,技術面の広報を担当するRobert Hallock(ロバート・ハロック)氏が,同じAMD公式blogで予告していたものだ。この電源プラン設定を導入,選択すると,Windows 10標準の「バランス」設定を選んだときよりも,Ryzen搭載PCで実行したゲームのフレームレートが若干向上すると,Hallock氏はblogポストの中でアピールしている。
 Ryzen Balancedの設定ファイルは,公式blogの当該ポストから無償でダウンロードできる。特定CPUに最適化した電源プラン設定をCPUメーカーがエンドユーザー向けに直接配信するというのは,筆者の記憶にある限り,今回が初めての試みではないだろうか。

Ryzen Balancedを導入した状態の電源プラン設定画面
Ryzen

 AMDは従来から,「CPUに高い性能を要求するアプリケーション――ゲームやベンチマークソフト――を実行するときには,Windowsの電源プランを『高パフォーマンス』に設定するように」と推奨していた。
 Windowsのデフォルト設定である「バランス」設定は,性能と消費電力のバランスを取れるように,CPUにおける動作ステート(P-State)の変動を制御しているという。ところがバランス設定を選んだ状態では,この制御が原因となり,「アプリケーションが高い性能を必要としたときCPUの動作ステートを高性能側に変更する速度」が,高パフォーマンス設定に比べて若干遅くなることがあるそうだ。

 また,バランス設定は,可能な限りCPUコアを停止させて消費電力を下げようとするが,これは高いCPU性能が必要となったときに,停止中のコアを再び動かすまでのタイムラグが長くなることを意味する。

 それに対し,AMDが公開したRyzen Balancedを適用すると,電源プラン自体は「Balanced」でありながら,高パフォーマンス設定を選んだときと同程度の性能が得られる(ため,消費電力面の犠牲を払って高パフォーマンス設定を選ばなくてもよくなる)というのが,AMDの主張だ。Ryzen Balancedを適用すると,Windows 10はRyzenの動作ステートをより早く高性能側に変更するようになり,またCPUコアの停止を無効化するため,停止からの復帰によるタイムラグもなくなるとのことである。

 下に示したのは,Windows標準のバランス設定に対して,高パフォーマンスとRyzen Balancedがどれだけ高い平均フレームレートを出せるか見たものだが,少なくともこれを見る限り,複数のタイトルで効果を確認できる。

AMDが公開した性能比較グラフ。高パフォーマンス設定(灰色のバー)とRyzen Balanced(オレンジ色のバー)選択時の平均フレームレートがバランス設定比で何%向上するかを示したものである
Ryzen

 ただ,高パフォーマンスとRyzen Balancedの間にはフレームレートの出方に若干の違いがあり,ゲームによっては高パフォーマンス設定を下回っているのも事実。AMDは,Ryzen Balancedの性能を高パフォーマンス設定と同じレベルまで引き上げることを目標として,エンドユーザーからのフィードバックを求めていると,Hallock氏はRyzenのユーザーに呼びかけている。

 Ryzen Balancedのインストール自体は簡単で,ダウンロードしたZipファイル内にある「Ryzen_Balanced_Plan.ppkg」を実行するだけでいい。ただ,AMDとしては,この配布方法はあくまでも過渡的なもののようで,将来的にチップセットドライバソフトの中に,Ryzen Balancedを組み込む予定であるとHallock氏は述べている。
 Ryzenの性能を現状よりもさらに引き出したいと考えているゲーマーは,Ryzen Balancedを導入してみるといいかもしれない。


「Total War: WARHAMMER」でのフレームレート向上や,オーバークロックツールのアップデートの話題も


 そのほかにもHallock氏は,Ryzenに関する2つの話題を取り上げている。1つは,2017年3月27日に配信となった「Total War: WARHAMMER」のパッチを適用することで,同ゲームをRyzenで実行した場合のフレームレートが向上するようになったという話だ。
 今後,他のゲームでも,パッチ適用による性能向上が期待できるかもしれない。

Total War: WARHAMMERのパッチ適用前(灰色のバー)と適用後(オレンジ色のバー)で,フレームレートがどれくらい向上したかを示すグラフ
Ryzen

 もう1つは,4月11日に公開予定である,AMD純正オーバークロックツール「Ryzen Master Utility」のアップデートについての話題だ。

Ryzen Master Utility
Ryzen

 Ryzenは半導体内部の温度情報として,ジャンクション温度ではなく,新しく「tCTL」というセンサーを利用するようになった。だが,従来のRyzen Master Utilityでは,正しいジャンクション温度を報告できない場合があったようだ。そこでRyzen Master Utilityのバージョン1.0.1では,正しいジャンクション温度を報告できるようにしたとのこと。「Ryzen 7 1800X」と「Ryzen 7 1700X」,「Ryzen 5 1600X」の「X付き」製品で,問題の解決を確認できるという。
 また,特定のBIOSを搭載した環境で,Ryzen Master Utilityのインストーラに生じていた問題も解決を見たとのことだ。

AMDの当該blogポスト(英語)


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