宮城県 多賀城市立図書館 ―学校連携―

「くつろぎ、学び、支え、育ち、そしていつかは帰るところ。」

所在地:〒985-0873 多賀城市中央2丁目4-3 多賀城駅北ビル A棟
TEL  (022)368-6226
E-mail:tagajocity-lib@nifty.com
HP : https://tagajo.city-library.jp/library/
(写真提供 多賀城市)

■図書基本情報

元気な学校図書館 多賀城市立図書館 グラフ1

元気な学校図書館 多賀城市立図書館 グラフ2

(注)平成27年度の学校貸出は新館移転に備えて蔵書を整理したため、貸出を抑制した。



多賀城市と市立図書館

多賀城市は仙台市北東部に位置し、人口おおよそ6.2万人、面積は19.7K㎡である。仙台市に通勤・通学する市民が多く住む都市近郊のまちである。市内には小学校が6校、中学校4校、高校3校があり、また、東北学院大学の工学部(多賀城キャンパス)もおかれている。図書館は本館と2つの分室(山王分室、大代分室)があり、幅広い年代層の市民が図書館を利用している。
・市では図書館利用にあたって、平成26年度から「第二次多賀城市立図書館基本計画」をスタートさせ、その具体的な推進に取り組んできた。その具体的施策として、市は老朽化がすすむ図書館の移転・新築に着手。利便性が高いJR仙石線(仙台-石巻うち間)多賀城駅北側に、2016年3月(平成28年)新館がオープンした。
・建物にはカフェ、書店、レストラン、コンビニが入っている。

(参考)「第二次多賀城市立図書館基本計画」および「多賀城市立図書館移転計画」

・移転後の図書館運営について、市ではCCC(カルチュア・コンビニエンス・クラブ株式会社)を指定管理者として選び、平成28年3月21日より業務が開始されている。主な運営委託業務は以下である。

①市立図書館・本館及び2つの分室の運営
開館時間:365日 9:00~21:30 ※但し、分室(開室時間:11:00~17:00)は公民館が休みの日は休館

②学校図書館10校の運営
開館時間: 基本9:00~15:00

③移動図書館の運行と運営
平日運行



学校連携、これまでの歩み

平成19年4月1日

学校支援事業を開始。天真小学校・城南小学校に学校図書館司書を配置。図書館の環境整備をすすめる。以降、順次他の小学校に拡大。

・平成20年4月1日 山王小学校

・平成21年4月1日 多賀城東小学校

・平成22年4月1日 多賀城小学校、多賀城八幡小学校

平成26年度

「第二次多賀城市立図書館基本計画」策定。

平成28年3月21日

JR多賀城駅北側に、新しい図書館がオープン。

平成28年4月1日

中学校すべてに学校支援事業を開始。市内、全小中学校への学校図書館司書の配置が完了。



■具体的な活動内容

インタビュー

元気な学校図書館 多賀城市立 八尾村さん

取材に対応いただいたCCCの八尾村 久子さん

新しい市立図書館の運営方針についてお聞かせください。

【八尾村】

・新しい図書館は「市民の家」をコンセプトにしています。「家」というのは市民が家のようにくつろぎ、学び合い、支え成長する、そして巣立って行ってもいつかは子育てに帰ってくる、そのような意味を指しています。1Fはリビング、2Fは書斎、3Fは勉強部屋のイメージで利用してもらっています。勉強の場の3Fには十分な席(おおよそ80席)を用意していますが、夏休みなどで込み合う時期は3Fのギャラリーも開放しています。

平日ですが、たくさんの方が来られていますね。

【八尾村】

・2016年3月21日開館後、7ヶ月半で来館者が100万人を超えました。また、市民の図書館利用登録は3割を超えました。(多賀城市人口6.2万人で市民約2.2万人、市外者2.3万人が図書館利用カードの発行を受けている。)仙石線の人の流れが変わったようにも思えます。
 (参考)平成27年度の来館者はおおよそ14万人。

多賀城市の学校連携の状況はいかがでしょうか。

【八尾村】

・学校図書館運営については、多賀城市立図書館の業務委託が始まった当初から小学校の6校を委託していただいておりました。2016年4月から中学校4校が加わり、現在計10校を委託していただいております。委託先の学校図書館へは、市立図書館で雇用している学校司書を派遣しています。
学校司書の経験年数は小学校で3~4年、中学校では1年目が3名、他校経験者1名です。学校での勤務時間は基本的には10時から15時までですが、学校の予定に合わせて柔軟な時間運用を行っています。例えば「1時間目、2時間目に対応してほしい」といった要請があれば前倒しに出勤するなどして対応しています。

月間総時間を上限として調整しているということでしょうか。

【八尾村】

・その通りです。学校では図書館利用の授業を支援し、図書委員会活動にも出席しています。学校図書館司書の皆さんには、学校の活動計画にそって学校図書館の運営にあたるようお願いしています。また、月に一度、学校図書館司書同士のミーティングを行い、司書間や小学校―中学校間の情報共有をしています。この機会を設けることで、司書一人ひとりが持つ悩みを、いろいろな角度から検討できます。彼らにとっても心強いミーティングであると思います。

学校図書館司書の研修はどのように行われていますか。

【八尾村】

・研修についてですが、昨年度は岩沼市の学校図書館を訪問し、事例を学びました。 CCCが管理する図書館は、多賀城市立図書館を含め4館となっておりますが、今まで管理してきたいずれの館でも学校図書館の管理は行ってきたことがありません。そのため、多賀城市で実践した学校図書館での取り組みを、他の館でも役立てたいと考えております。

午前に市内、天真小学校を取材しました。
校長先生から立図書館を「学習センター」「情報センター」として活用していくことが話されました。

【八尾村】

・図書館では、学校の調べ学習や体験学習等のお手伝いをしています。調べ学習などで使用する本は、取りまとめて図書館で貸出しています。図書の分類は細分化して排架されてあり、テーマに沿って探しやすく、子どもたちにも利用しやすい状況です。
・また、小学校2年生の生活科の単元に「図書館について学ぼう」というものがあります。この単元に沿って、多賀城市立図書館では、図書館がどんな公共施設で、どんな障がい者サービスがあるのかを、実際に図書館を見学して学んでいただくという支援を行っています。今年度は10月から11月頃に、小学校4校に対して実施しました。
・委員会活動の時間を使って、多賀城市立小学校の図書委員さんに対し、市立図書館見学にお招きしました。このときは表面的なサービスではなく、バックヤードをメインに紹介し、司書はどんな仕事をしているのかを中心に学んでもらいました。「今やっている図書委員会の仕事が、世の中に出たときにどのようにつながっていくのか」ということを理解してもらい、更に委員会の仕事自体にも励みを持ってもらう、ということがねらいです。
・中学校は多賀城中学校1~2年生全員に図書館のサービスについて学んでもらいました。読書に割ける時間が少なく本離れが進む中学生に、少しでも本を身近に感じてもらいたいと思っています。
・幼稚園、保育園には移動図書館車が回っており、こちらを中心に利用していただいています。
・先生方には市の教育研修会などの機会をとらえて、図書館の利用を案内しています

学校図書館司書の活動については、本サイト「多賀城市立天真小学校」をご覧ください。

子どもたちへの利用を働きかける取り組みがあれば教えて下さい。

【八尾村】

・市では市内の中学生以下の子どもに無料で読書通帳を発行しています。概ね4割程度の子どもたちが、日ごろ利用しているようです。市外の子どもたちは有料(一通300円)となっています。

学校とのコミュニケーションはどのように行っていますか。

【八尾村】

・定期的に司書教諭のかたと懇談をしています。その中で、さまざまな相談や学校図書館司書への要望を伺い、その対応をすすめています。

お忙しいところ、ご協力ありがとうございました。



学校への支援状況

・八尾村さんに学校支援状況を調査いただいた。

元気な学校図書館 多賀城市立図書館 表1



図書館のシーンあれこれ

元気な学校図書館 多賀城市立図書館 写真1図書館の入り口周りには大きさの似た本や、ディスプレイ用の本を配架し、美しい書棚に仕上げている。

元気な学校図書館 多賀城市立図書館 写真2こちらは図書館3Fに広がる書庫。多賀城市立図書館では利用者から見える位置に書庫がある。

元気な学校図書館 多賀城市立図書館 写真3セルフカウンターでは、バーコードを読み込むのではなく、指定の場所に本を置くだけで貸出ができる。

元気な学校図書館 多賀城市立図書館 写真4図書館で販売、配布している読書通帳はこちらで印字することができる。まるで銀行通帳を扱っているようで、子どもが非常に喜ぶのだそうだ。

元気な学校図書館 多賀城市立図書館 写真5こちらが読書通帳を使用して印字した手帳だ。

元気な学校図書館 多賀城市立図書館 写真6児童コーナーに広がる、カラフルで楽しい壁画は絵本作家の荒井良治氏が描いたもの。この部屋にいるだけで楽しい気持ちになれる壁画だ。

元気な学校図書館 多賀城市立図書館 写真7こちらは児童向けのOPAC。こちらのフクロウのイラストは読書通帳の表紙と同じものを使用している。子ども向けながら幼過ぎず、落ち着きのあるデザインだ。

取材後記

・多賀城は8世紀に大和朝廷によって政庁がおかれ、東北地方平定の起点となったところである。その後、度々の戦が繰り返され11世紀の平泉につながっていく。平泉に生まれ育った筆者にとって、実に感慨深いところである。しかしながら、長らく仙台に勤務し、幾度となく仙石線(仙台と石巻を結ぶJR線)を利用していたが、一度も下車した記憶がない。今回、機会あって取材に訪れたが、明らかに乗り降りする乗客の流れが違う。話題の多賀城市立図書館が本年3月に開館。人々は図書館へと流れていく。図書館の持っている力は実に大きい。往時の賑わいを十分イメージしてくれる。

(菅原)



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