銀行ATMからではなく、スーパーマーケットや百貨店のレジからお金をおろすことができるサービスが、どうやらほんとうに2018年にも開始される方向性のようです。
日経新聞が記事にしました。
大手銀行や地方銀行などで構成する日本電子決済推進機構(東京)は6日、スーパーや百貨店のレジで預金を引き出せる新サービスのシステムを2018年4月に稼働させると発表した。買い物などの代金を口座から即時に引き落とすデビットカードを活用する。
レジからお金を引き出す仕組みとは?:
スーパーのレジからお金を引き出す仕組みは単純そのもの。
買い物の際にみなさんが持っている銀行キャッシュカードを店員に渡し、5,000円だ1万円だという金額を言えばOK。これで買い物をした金額+引き出したい金額が合算されて、自分の銀行口座から自動的に引き落とされることになります。
- 店員にキャッシュカードを渡す
- 引き出したい金額を伝える
- 買い物をした金額+引き出したい金額が合算され、自分の銀行口座から引き落としされる
ちょっとわかりにくいかも…なので、ざっくり書くとこんな感じ。
- 従来:買い物をした金額がそのまま預金口座から引き落としされた
- 今後:「買い物金額+おろしたい金額」が口座から引き落としされる
イメージするなら5,000円しか買い物してないけど、1万円買い物をしたことにして5,000円をお釣りでもらう…そんな感じでしょうか?
海外ではごく一般的なサービス:
まぁ正直、日本人にとっては馴染みのないサービスゆえ、理解しろ…と言ってもなかなか難しいのかも。
しかし、アメリカやヨーロッパの一部の国ではごくごく一般的な預金の引き出し方なので、アメリカ人に聞けば「ああ、キャッシュアウトね。日本でも出来るようになるんだ?」と歓迎されそうな感じがします。
このサービスは「キャッシュアウト」と呼ばれ欧米で浸透しており、金融庁の規制緩和で日本でも可能になった。
実際、アメリカのスーパーマーケットでは、ほとんどのお客さんが20ドル、40ドルといった金額をレジでおろしていて、私もアメリカに住んでいた時はこのサービスをよく活用してました。
特にあちらの国の場合は銀行ATMでお金を下ろすと後ろからなんか襲われそうになる…という治安の悪さもあったため、むしろ人目の多いスーパーのレジは「安全にお金を下ろせる良い場所」だったのかも*1。
加えてスーパー側としてもお客さんが現金を持っていってくれることで、多額の現金を保有しなくて済むメリットもあったのだと思われます。
日本でほんとうに普及するのか?
さてさて、そんなキャッシュアウトサービスですが、日本でどこまで普及するのかはやや疑問。そもそも日本国内におけるデビットカード(銀行キャッシュカードを支払いで使う仕組みのこと)利用率の低さを考えると、どこまで需要があるかわかりません。
唯一、需要があるかもなぁ…というのは、銀行ATMがあまりない地方にお住まいの方くらいなので、銀行のお偉いさんたちが考えているような状況にはならないんじゃないかなぁ…という気がします。
以上、銀行ATMからではなく、スーパーのレジからお金をおろせるサービスが2018年に開始へ!買い物ついでに現金の受け取りが可能です…という国内ニュースでした。
参考リンク:
『えっ、そもそも銀行のキャッシュカードで買い物ってできるの?』という方は、下記記事も参考に。基本的にはどの銀行のキャッシュカードであっても、支払いに使うことができますよ。
*1:人気のないところにあるATMは、なんともいえない恐怖があったんですよね。特に夜間はお金に困っても、絶対に利用したいとは思いませんでした。