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日本で原発議論が進まない真の理由

地元の反発から逃れるためだけの無計画さ

2017年4月7日(金)

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 福島第一原子力発電所の事故から6年が経った。今、原発はどういう状況なのか。

 先日、東芝が開発したサソリ型ロボットが、福島第一原発の敷地の中でも格納容器内の放射線量が最も高いとされる2号機に投入された。ところが、スロープ上に積もるゴミに足を取られてしまい、結局2時間ほどで立ち往生してしまったという。

 こんな状況の中で、福島第一原発を廃炉にできるのだろうか。

事故から6年が経った福島第一原子力発電所。(代表撮影/ロイター/アフロ)

 問題は、技術的なものだけではない。事故に伴う費用がどこまで膨らむのか、明確には分からないのだ。当初、廃炉・賠償費はおよそ2兆円と見積もられていたが、その後11兆〜12兆円に修正され、今では21.5兆円まで膨らんでしまった。実際は30兆円を超えるのではないかとの話もある。

 今、東京電力はメルトダウンした核燃料などが固まった「燃料デブリ」を取り出そうとしているが、原発反対者のみならず推進者の間からも「無理なのではないか」という声が上がっている。第一、燃料デブリを取り出したとしても、どこに持っていくのか。その場所がない。

地元の反対が強いから、非現実的な計画を打ち出している

 そもそも、なぜ福島第一原発の燃料デブリを取り出して移動させようとしているかといえば、地元の反対が強いからだ。しかし、持っていく場所がない。実のところ、地元の反発を抑えるために、できもしないことを「やれる」という格好を見せているだけのようだ。

 使用済み核燃料の問題も同様だ。今、日本には1万6000トンもの使用済み核燃料がある。そのほとんどが青森県六ケ所村に集まっているが、ここからどうすればいいのか誰も分からない。

 原発反対を主張している小泉純一郎元首相が「反対」と言い出したきっかけは、2013年にフィンランドの核廃棄物の最終処分場「オンカロ」を視察したことだった。固い岩盤の地下400メートル以上の場所にトンネルを掘り、使用済み核燃料を埋めるのだが、これが無害化するまでに10万年もかかるという。この10万年という途方もない数字が、小泉元首相を反原発に向かわせた。

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「日本で原発議論が進まない真の理由」の著者

田原 総一朗

田原 総一朗(たはら・そういちろう)

ジャーナリスト

1934年滋賀県生まれ。早大文学部卒業後、岩波映画製作所、テレビ東京を経て、フリーランスのジャーナリストとして独立。「朝まで生テレビ!」「サンデープロジェクト」等のキャスターを務める。

※このプロフィールは、著者が日経ビジネスオンラインに記事を最後に執筆した時点のものです。

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