【ワシントン=永沢毅】トランプ米大統領はホワイトハウスの外交・安全保障政策の司令塔である米国家安全保障会議(NSC)を再編し、側近のスティーブン・バノン米首席戦略官・上級顧問を常任委員から外した。NSCの運営を主導する軍人出身のマクマスター大統領補佐官(国家安全保障担当)の影響力が外交・安保分野で強まる可能性がある。
マクマスター氏がバノン氏を除外するようトランプ氏に進言した。NSCの議論には政治的な思惑を持ち込まないのが不文律だが、バノン氏は大統領選で陣営の最高責任者を務めていたためだ。バノン氏は外交・安保の専門家でもなく、NSC入りしたことには与野党から批判が出ていた。
5日の米紙ワシントン・ポスト(電子版)によると、バノン氏はほとんどNSCの会議に出席してこなかった。ホワイトハウス高官によれば、バノン氏のNSC入りはマクマスター氏の前任者である、マイケル・フリン前大統領補佐官がNSCをきちんと運営できるかを監視する狙いがあったという。
フリン氏は政権発足前にロシア当局者と対ロ制裁について協議していたとされる問題の責任を取って2月中旬に辞任している。