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塩素発生の実験



水道水や漂白剤、塩の中にも入っている割と身近な塩素をさらし粉
と濃塩酸を使って発生させました。塩素は常温で黄色い気体です。
加熱した銅線と反応して塩化銅ができ、その気体水に溶かすと綺麗な
青い水溶液ができます。いろいろな色がいろいろ楽しめます。By団長

塩素実験の材料

塩素実験の材料

高度さらし粉・濃塩酸・ヨウ化カリウム・臭化カリウム・銅線・青色リトマス紙・赤色リトマス紙・赤色テープ・椿の花弁

換気

室内の換気

塩素は刺激臭と毒性があるので最初にしっかり窓を開け換気をよくします。

塩素発生の準備

ふたまた試験管にさらし粉と濃塩酸を入れる

2つを混ぜるだけで塩素が発生してしまうのでこのような特殊な試験管に入れます。

塩素の発生

2つの薬品を混ぜ塩素が発生

発生中です。写真には写っていませんが下方置換法で集気ビンに集めます。 これは塩素が空気よりも重いからです。
反応式は
CaCl(ClO)・H2O+2HCl→ CaCl2+2H2O+Cl2

集めた塩素

発生完了

集気瓶に塩素が溜まっています。よく写真を見てみると気体が黄色いことがわかります。

椿の花弁

漂白作用

塩素の性質の1つ、漂白作用を椿の花びらを使って実際に調べてみます。

反応後の椿の花弁

変化アリ

周りから漂白されてきました。これは塩素が水に溶けると次亜塩素酸になり、強い酸化力を持ち色素を漂白するためです。
反応式は
Cl2+H2O→HCl+HClO
HClO+2H++2e-→HCl+H2O

漂白作用の実験2

他のものでも調べてみます

青色&赤色リトマス紙と赤色紙テープでも調べてみます。 このとき次亜塩素酸にするため水で湿らせてからビンの中に入れます。

反応後

漂白完了しました

上の写真と比べても白くなっているのがよくわかります。 塩素の濃度がもっと濃ければすぐに漂白され白くなります。

銅の炎色反応

銅と塩素の反応

ただ銅を入れただけでは反応しないので、熱してから反応させます。 銅の炎色反応は緑色だということがよく分かります。

塩化銅の発生

塩化銅発生

入れてすぐに反応が始まります。銅線を入れたらすぐにビンに蓋をして集めます。
反応式は
Cu+Cl2→CuCl2

すごい色・・・

たくさん発生しました

黄緑色の煙が発生しました。これが塩化銅です。塩素と銅が反応したことが分かります。

水に溶かすと・・・

塩化銅水溶液

水を入れて振るだけで水溶液になります。塩化銅が黄色に対して、塩化銅水溶液は青色です。

ヨウ化カリウムと臭化カリウム

塩化銅水溶液とKI水溶液、KBr水溶液を反応させます

KIとKBrをそれぞれ水に溶かし、塩化銅水溶液を加えて変化を見てみます。

反応後

色が変化しました

両方とも最初は透明の水溶液でしたがそれぞれ違う色に変化しました。 これは塩素の方が酸化力があるため、塩素がカリウムと反応して ヨウ素と臭素ができたからです。
反応式は
2KI+Cl2→2KCl+I2
2KBr+Cl2→2KCl+Br2


一言:
この実験を行うときはいつも喉が痛くなります。生徒は限度をしらないので発生させすぎるのです。 挙げ句の果てに塩素の刺激臭に驚いて騒ぐ者まで・・・
実験の前にしっかり指導することをお勧めします。  


実験上の注意:
 換気をしっかりする
 ふたまた試験管は濡れてないものを使う
 
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