CMの反響「うれしかった」 声優挑戦や理想の女優像も語る
女優・のんさんが、「LINE」の通信サービス「LINEモバイル」の第2弾CM「愛と革新。(交差点)」編(8日から放送)の撮影の合間に取材に応じた。のんさんは、同CMシリーズの撮影の感想や反響、「第11回 声優アワード」特別賞の受賞後の心境、プライベートなどについて多いに語った。
第1弾CMで家族から反響
第1弾CM「愛と革新。」編は、白いシャツというシンプルな服装をしたのんさんが、キリンジの「エイリアンズ」をバックに、一切のせりふを言わずにカメラを見つめ続けるという内容だった。のんさんは前作の撮影について「カメラを固定し、画角も変えないという撮影の仕方で、カメラの前に立って集中していきました。監督やスタッフの方々が『すごいCMになるかも』っておっしゃってくれたりして、役者としてうれしくて、『やったー!』って思って、のんきに有頂天になっていました」と振り返る。
日ごろから、「LINE」で家族と“グループライン”を使って会話を楽しんでいるというのんさんは「(CMを見た家族から)『テレビで見たよ』っていう連絡があって、うれしかったです。テレビで流れているんだっていう実感が湧きました」と話し、「妹は『究極にシンプル』って言いながら、うれしがってくれていました」と笑顔で語る。
8日から放送される続編の「愛と革新。(交差点)」編は、雨上がりの交差点で、大勢の人たちの中にまぎれたのんさんが振り返り、せりふを言わずにカメラを見る……というストーリー。
「(新CMの)絵コンテをいただいたときに、『今度はこう来たか』っていう“裏切り”を感じました(笑い)。その驚きがうれしくて(撮影当日を)楽しみにしていました。出来上がりにわくわくしています」と語る。CMのラストでは、監督から「愛を伝えるような表情をしてください」という演技を求められたといい「私の表情に、ぜひ注目してほしいです!」と目を輝かせる。
「声優として認めてもらえた」アワード受賞 理想の女優像も
プライベートは「映画を見たり、絵を描いたり、洋服を作っています」というのんさん。「洋服作りは“お菓子の袋を開けたら最後”みたいな、完成するまでやめられなくなってしまいます。ワンピースを作るのが好きで、生地を買ってきて、体に合わせてまち針を打って……。ジャストのときやオーバーサイズになってしまうことがありますね(笑い)。わずかな違いが生まれるのを楽しんでいます」と笑顔で明かす。
のんさんは、主人公の声を担当した劇場版アニメ「この世界の片隅に」で、今年3月に一年で最も活躍した声優に贈られる「第11回 声優アワード」の特別賞を受賞した。「(声優陣が並ぶ中で)ここに交じっていていいのかという緊張感がありました」と授賞式を振り返り、「(トロフィーを手にして)普段とは違う表現の仕方で勉強したことが“声優として認めてもらえた”と思い、うれしかったです」と声をはずませる。授賞式後には、家族とのグループラインも盛り上がったといい、「衣装が可愛かったと送られてきました(笑い)」と晴れやかな表情を見せる。
女優業と声優業の違いについては「私の中では、ジャンルが違うとはとらえていません」といい、「(アニメで演じた主人公のすずは)出会えないかもしれないような役をいただけて『絶対やりたい』と思いました。普段通り、役のことを考えて、私なりに表現させていただきました。慣れない表現方法に挑戦したことで、演技の考え方に広がりを感じました」と手応えも語る。
また、今後については「いろいろな役に挑戦したいです」といい、「のんさんが考える理想の女優像」を聞くと、「どんな役でも、(役に対して)自分にしかできない解釈をして、のんとしての魅力をしっかり表現できる女優さんになりたいです!」と力を込めた。
<プロフィル>
のん 1993年7月13日生まれ。兵庫県出身。2006年に第10回ニコラモデルオーディションでグランプリを獲得しデビュー。10年まで専属モデルを務める。第11代「カルピスウォーター」CMキャラクターを務め、脚光を浴びる。映画「告白」(10年、中島哲也監督)で女優デビュー。13年のNHK連続テレビ小説「あまちゃん」でドラマ初主演。14年には映画「ホットロード」(三木孝浩監督)で長編映画初主演を果たす。2014年に「第38回エランドール賞」で新人賞を受賞。16年に芸名を本名の能年玲奈から「のん」に改名した。