羽生「日の本一の力を!」国別対抗は“真田幸村”で天下取り目指す

2017年4月6日5時50分  スポーツ報知
  • 意気込みを書き込んだ日の丸を前に、ポーズを決める(左から)宇野昌磨、羽生結弦、三原舞依、樋口新葉(カメラ・能登谷 博明)

 フィギュアスケートの平昌五輪団体戦(来年2月)前哨戦となる世界国別対抗戦(20~23日、東京・代々木第一体育館)に出場する日本代表選手が5日、都内で発表された。男子は世界選手権で3季ぶりに王者に返り咲いた羽生結弦(22)=ANA=と2位の宇野昌磨(19)=中京大=が選出された。羽生は日の本一の兵(つわもの)と呼ばれた戦国武将の真田幸村にあやかり、3大会ぶりの“天下取り”へ「日の本一の力を!」と呼びかけた。今季最終戦でショートプログラム(SP)、フリー共にノーミスをそろえ、自身の世界最高得点更新を狙う。

 日の本一の強者が、若い日本代表を引っ張る。羽生は日の丸への寄せ書きに「日の本一の力を!」と書き込んだ。「真田幸村的な感じになりましたけど」と、日の本一の兵と呼ばれた真田にかけたことを明かした。

 「国別対抗戦は日本の国旗を背負って戦うという自覚が一番強い試合。ここに集まっているメンバーが現在の日本一。その力を精いっぱい出したい」

 幸村は昨年、NHK大河ドラマ「真田丸」で俳優・堺雅人が演じブームになった。日本一と日の本一(ひのもといち)の違いについて「日本開催だからこそ。自分たちが日の本で育っているわけなので」。羽生流の解釈で、3大会ぶりの世界一への団結を呼びかけた。

 正式決定は先だが、四大陸選手権覇者の米国のネーサン・チェン(世界選手権6位)、カナダのパトリック・チャン(同5位)、中国の金博洋(同3位)といった世界選手権で優勝争いを繰り広げた強豪が集結する可能性が高い。「気になるのはネーサン選手。強さを感じるし、世界選手権の悔しさをすごく感じていると思うので」と警戒した。「日の本」で負けるわけにはいかない。倍返しの返り討ちをお見舞いする。

 世界選手権ではショートプログラム(SP)で5位に沈みながら、フリーで世界最高得点を記録して逆転した。4回転4本を成功させた演技後、「アクセル―トウループを降りたところで、5個目(の4回転)にいこうとも思ったけど、きつかった」と振り返った。今大会での4回転5本のプログラムについては「ノーミスの演技を続けることが大事。このプログラム構成でもノーミスでできるようにということに集中している」と明言を避けた。

 逆転優勝後も、SPでの失敗を悔しがった。今大会の得点は国際スケート連盟(ISU)公認。中2週での凱旋試合はリベンジの舞台ともなる。「疲れは少しあるが、体は問題ない。しっかり整えて、目の前の試合に集中したい」。今季まだかなっていないSP、フリーの“ダブルノーミス”による世界最高得点で、シーズンを締める。(高木 恵)

 ◆真田幸村 戦国時代~江戸時代に活躍した武将で、本名は信繁。大坂夏の陣には豊臣方で参戦。武具を赤で統一した「赤備え」で知られ、天王寺の戦いで徳川家康の本陣へ突撃を繰り返し、家康に討ち死にまで覚悟させた。この活躍が同時代の武将から畏敬を集め、初代薩摩藩主の島津忠恒(家久)が初めて「日の本一の兵」と呼んだとされる。

 ◆世界国別対抗戦 日本、カナダ、ロシア、米国、中国、フランスの計6か国が参戦。男女シングル各2人とペア、アイスダンス各1組のチーム戦で、順位に応じて与えられるポイントの合計を競う。五輪団体戦とは、男女シングルの人数(五輪は各1人)が異なる。日本は世界選手権で平昌五輪ペアとアイスダンスの出場権を獲得できず、予選会を勝ち抜いて出場を目指す。14年ソチ五輪団体は、決勝に進んだ5か国中で最下位に終わっている。

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