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 「この写真から目を背けることはできない」。シリア北西部での化学兵器が使われたとみられる空爆について、5日に開かれた国連安全保障理事会の緊急会合で、米国のヘイリー国連大使は演説中に立ち上がり、幼児が横たわる写真を掲げて力説した。

 ヘイリー氏は、現地の医師らが被害者の救援で現場に駆け付けた後、2回目の空爆があったと指摘し、医療関係者が「ゆっくりと、身の毛もよだつ形で死んでいった」とアサド政権の残虐さを非難した。その上で、拒否権を行使して安保理での責任追及を阻んできたとしてロシアに非難の矛先を向けた。「ロシアがシリアに影響力があるのであれば、我々はその行使を見る必要がある。ロシアが動くまでに、あと何人の子どもが死なねばならないのか」と述べた。

 最後にヘイリー氏は「国連として集団行動をとらねばならない時がある。私はここに一つ加えよう。国連が集団的に行動する責務に失敗し続けるのなら、国家が独自の行動をとらねばならない時もある」と述べた。(ニューヨーク=金成隆一