「テンキーにExcelってボタンあったから何かなって思ったら、あまりにも力技で笑ってしまった」──Twitterに投稿された、ある動画が一部で注目を集めている。
話題になっているのは、PCの周辺機器「テンキー」に備わるホットキー(ショートカットキー)のExcelを起動する方法が面白いというもの。数字を入力する機会が多いユーザーに重宝される製品だが、多くの人を思わず「クスッ」とさせた機能にどのような意図があったのか。メーカーに聞いてみた。
Twitterユーザー@YsK439さんのツイートでは、テンキーのExcel起動用ホットキーを押した場面が動画で紹介されている。
「なるほど、ホットキーを押すと即座にExcelが起動して便利なのだな」──とおもいきや、最初に立ち上がるのはWindowsの標準機能である「ファイル名を指定して実行」だ。続いてテンキーが自ら「EXCEL」とキー入力して、Excelが起動するという流れ。なんだろう、このにじみ出る人間っぽさ。
これを見たTwitterユーザーらは、「こんなごり押しする方法初めて見た」「最高にロック」「強引すぎてめっちゃ好きです」など、そのやり方を面白がる一方で、「かなりスマートなやり方だと思う」と評価する声も多い。
このやり方を採用しているのは、エレコムが発売している「TK-TCM001シリーズ」という製品。やはり専用ドライバなどのインストールが不要でありながら、ExcelやWebブラウザ、電卓を起動できるホットキーの存在を売りにしている。
メーカーの広報に問い合わせたところ、この方法を取り入れた理由は多くのユーザーが予想した通り、「仕様環境(WindowsのOSバージョン違い)に関わらず、動作させるための最良の方法と判断したため」(エレコム広報部)という。
このテンキーに備わっているホットキーの動作を端的に言えば、「Winキー+R」(「ファイル名を指定して実行」を起動)→「EXCEL」(起動したいアプリ名を入力)→「Enter」(実行)というキー操作をワンボタンで入力してくれるというもの。
一部ユーザーが指摘する通り、わざわざテンキー用の独自アプリなどをインストールさせるよりも、ユーザーの“キー操作を肩代わり”することで利便性を向上させている。
同社によれば、ホットキーの需要は定量的に示せないとしながらも、テンキーは表計算ソフトの操作を便利にするデバイスであるため、Excelや使用頻度の高い式の挿入、電卓など、使用が想定されるキーが付いていれば便利だろうと工夫を続けているという。
テンキーに限らず、製品に独自機能を付けるとサポート終了後に使えなくなってしまう場合もある。メーカーのスマートなやり方に、一本取られたような感覚だ。
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