記事詳細
【金正男氏殺害】
朝鮮総連首脳、北犯行と判断 正恩氏への批判噴出 部下には米韓謀略と説明
在日本朝鮮人総連合会(朝鮮総連)首脳が北朝鮮の金正恩(キムジョンウン)朝鮮労働党委員長の異母兄、金正男(ジョンナム)氏殺害事件について、北朝鮮当局による犯行と判断していることが25日、分かった。北朝鮮の在外公館・準組織幹部が、事件関与を否定する当局と異なる見解を示したのは初めて。朝鮮総連関係者が明らかにした。朝鮮総連幹部らが内部向けには米韓両国の謀略による犯行と説明していたことも判明したが、組織内では犯行を主導できる立場にあった正恩氏への批判が相次いでいる。
関係者によると、朝鮮総連の首脳が2月13日の事件後、別の幹部に事件の概要を説明した。この際、首脳は「北朝鮮による犯行だ。事件には(2013年に正恩氏に粛清された)張成沢(チャンソンテク)氏らが関係している」と分析した。張氏は正恩、正男両氏の義理の叔父で、正男氏に経済的支援を行っていたとみられることから、首脳は正男氏殺害が張氏関係者粛清の一環として実行に移されたとの認識を示した。
一方、北朝鮮は事件後、朝鮮総連に対して正男氏の殺害に関する具体的対応を指示していない。このため、朝鮮総連は犯行に関する公式見解を外部に明らかにしていない。