新Fire TV Stickレビュー。4コアCPUと11ac対応で快適になったストリーミング動画端末
アップルの5GHz無線LANルーターに接続できず。なぜ?
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新Fire TV Stickレビュー。4コアCPUと11ac対応で快適になったストリーミング動画端末
テレビのHDMI端子に接続する動画ストリーミング端末「Fire TV Stick」の新型が4月6日に発売されます。発売に先立ちAmazonから実機がEngadget編集部に到着したので、セットアップ手順、使い勝手などについてレビューします。
新型Fire TV Stickは 、2016年の前モデルから順当にスペックが進化。プロセッサーは1GHzのデュアルコアから1.3GHzのクアッドコアに、Wi-Fiが11a/b/g/n対応から11a/b/g/n/ac対応に、Bluetoothが3.0から4.1に、クラウドストレージが「5GBまで無料」から「制限なし」に、ビデオフォーマットにH.265が追加されるなど、多くの点で進化しています。
しかしその一方、サイズと重量は前モデルの84.9×25.0×11.5mm / 25.1gから、新型では 85.9×30.0×12.6 mm/32.0 gへと大きく、重くなりました。ひっそりと保証期間が1年から90日へと短縮されています。動作がちょっとでも不安定であれば90日以内にサポートに要連絡ですね。
さて、それでは早速開梱していきましょう。
▲店頭でも購入可能なFire TV Stickは対応サービスをアピールしたパッケージに入れられています
▲まるでパズルのようにコンパクトに同梱物が収められています
▲同梱物一覧。左上からFire TV Stick本体、USBケーブル、マニュアル、音声認識リモコン、電源アダプター、HDMI延長ケーブル、単4電池2本。USBケーブルの長さは約150cmです
▲新型Fire TV Stickが大きくなったと言ってもこの程度。スティックPCなどと比べれば新型でも断然コンパクトです
セットアップ自体は非常にイージー。と言うのもFire TV Stickは注文した Amazonアカウントが関連付けられて届きます。基本的な設定作業はWi-Fiへの接続だけです。
▲テレビのHDMI端子にFire TV Stickを挿入し、電源アダプターからのUSBケーブルを接続します
▲AmazonとFire TV Stickのロゴが表示され......
▲Wi-Fiと接続します
▲使用するWi-Fiネットワークを選び、パスワードを入力します
さて、ここで予想外のことが起きました。なぜか5GHz帯のWi-Fiネットワークに接続できません。「信号の強さ」に「範囲外」と表示されています。スマートフォン、Nexus Player、Apple TVは正常に5GHz帯のWi-Fiネットワークにつながり、通信できています。
据え置き型のAmazon Fire TVを調べてみたら、以前つながっていた5GHz帯のWi-Fiネットワークに接続できなくなっていたので、私が使用しているアップルの「AirMac Time Capsule」となんらかの相性問題が発生している可能性があります。
と言うわけで今回はやむなく2.4GHzのWi-Fiネットワークに接続してレビューを続けます。
▲Wi-Fiネットワークに正常に接続されると登録が完了します
▲ここで「●●●●さんのアカウントを使用」を選択すればセットアップはすべて完了です
▲ようこそ、Amazonプライム・ビデオの世界へ!
Fire TV Stickは横に、ホーム、マイビデオ、映画、TV番組、アプリ、設定のタブが並んでいます。横でカテゴリーを選んだのち、今度は縦に一段ずつ下っていってジャンルを選び、そしてさらに横に移動してコンテンツを選びます。正直ちょっとわかりにくいです。
ちなみに映画カテゴリーでは、「プライム おすすめ映画」、「レンタル・購入・新作・準新作レンタルHD399円/SD299円」、「レンタル・購入-日本映画」、「プライム 字幕映画」、「プライム "●●●●"関連のおすすめ」、「レンタル・購入-最近追加された映画」、「プライム 最近追加された映画」、「レンタル・購入-人気映画」、「おすすめ映画、レンタル・購入【最大50%OFF】●●●●関連作ほかセール(●/●まで)」、「プライム 2010年代映画」、「プライム 流行の映画」、「お笑い・バラエティのおすすめ」、「プライム 映画のカテゴリー一覧」、「プライム アクション映画」、「レンタル・購入-外国映画」、「プライム 2000年代映画」が並んでいます。うーん、ゴチャゴチャしすぎですねえ。
「プライム 映画のカテゴリー一覧」で、外国映画、日本映画、アニメ、キッズ・ファミリー、ミュージック、ドキュメンタリーしか並んでいないのも個人的には不満です。ホラーとかスプラッターとかゴアなどもっと細かくジャンル分けしてほしいところです。
▲見放題の「プライム・ビデオ」と、レンタル・購入作品が混在しているのでジャンル分けするのが難しいのかもしれませんが、現状のジャンル分けはあんまりです
と言いつつもFire TV Stickにもよいところはあります。それは多くの配信サービスに対応していること。Amazonプライム・ビデオだけでなく、Netflix、Hulu、dTV、dアニメストアに対応します。iTunes、Google Playには対応していませんが、上記5サービスをサポートしていればかなり多くのコンテンツを網羅できるでしょう。
▲ちなみに私はApple TVとNexus Playerも持っていますが、dアニメストアはAmazon Fire TVで見ています
さて肝心の画質ですが個人的にはまったく不満はありません。Amazon Fire TVで4K表示可能なところ、新型Fire TV StickはフルHD表示しかできませんが、ほとんどのコンテンツが4Kに対応していない以上、現状はフルHDで十分ではないでしょうか? それに私は映画をレンタルする際は、価格の安いSD画質を選んでいます。ソフトを円盤で購入する際はブルーレイを選びますが、レンタル視聴する際にはSD画質で十分割り切れます。
▲これはAmazonプライム・ビデオ独占コンテンツの「TopGear」。4K対応の本作を最高画質で見たいなら、スティックでないほうのAmazon Fire TVを購入しましょう
音声認識エンジンはFire TV Stickも非常に優秀です。厳密にはデータベースが優秀なのですが、ジョージ・A・ロメロの作品をトム・サヴィーニがリメイクしたマイナーな「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世記」も難なく認識します。これまで培ってきたパッケージ製品のデータベースも統合されているのでしょう。
▲ただし音声認識では「・(ナカグロ)」が補完されないので「ナイト・オブ・ザ・リビングデッド 死霊創世記」が表示されません。改善が必要ですね。ちなみに「死霊創世記」で検索すれば表示可能です。
▲「アタック・オブ・ザ・キラー・トマト」でも「・(ナカグロ)」が省略されます
パフォーマンスは正直そこそこです。目安として起動時間を計測しましたが、ホーム画面が表示されるまで約40秒かかりました。1.3GHzのクアッドコアCPUと、GPUにMali-450を搭載したSoCは「MT6582M」です。MT6582Mと言えば、イオンスマホ「geanee FXC-5A」に搭載されていましたね。2年以上前の格安スマホに搭載されていたSoCのわりには、わりとキビキビ動作します。コンテンツ鑑賞時にストレスを感じることはないでしょう。
▲「マーブルマッドネス」ライクなカジュアルゲームならFire TV Stickでも快適に楽しめます
据え置き型のAmazon Fire TVのほうがパフォーマンスは上ですが、意外にテレビ台の上に置くとジャマになります。特にホコリ掃除の時などに。ケーブルとほぼ一体化する動画ストリーミング端末「Fire TV Stick」は設置性が優秀です。映像コンテンツ視聴を中心に利用するならFire TV Stickがオススメ。いまからFire TV StickとAmazon Fire TVのどちらかを購入するなら、私は迷わず前者を選びます。