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GQ&A with Tom Ford

新作公開間近──映画監督トム・フォードへの質問

『シングルマン』から7年、長編第2弾『Nocturnal Animals』を手がけたトム・フォードの周辺には早くも“オスカー”という囁き声が聞こえ始めている。

Photos: Simon Perry
Words: Dan Rookwood
Translation: Midori Yamagata

トム・フォード
映画監督・デザイナー
1961年、米・テキサス州生まれ。パーソンズで建築デザインを学び、「ペリー・エリス」などでデザイナーとして活躍。「グッチ」のクリエイティブ・ディレクターを経て、自身の名を冠したブランドを設立。2009年に映画監督としてデビュー。

1作目は、まぐれだったのか

GQ 監督デビュー作が大成功を収めたので、2作目を作るに当たってナーバスになった?

トム・フォード(以下TF) 僕は何事にも不安を覚えず、確信しか持てなくなった瞬間にすべてが崩壊すると思っている。当然ながら、『シングルマン』を作ったときとは違うプレッシャーを感じたよ。最初の時はハリウッドからはバカにされた。彼らは僕が映画を作ること自体をジョークだと思っていたフシもある。デビュー作が高い評価を受けたことはとてもうれしいけれど、だからこそ第2作を作るに当たっては、「1作目は、まぐれだったのかも」「1作目を超える作品が作れるのか?」って自問した。

GQ ファッション界から映画界へギアチェンジするのは簡単?創造性という点では同じなの?

TF 誰もがその質問をするね。実は、コレクションをデザインするのも映画を監督するのも同じことなんだ。まずはビジョンや伝えたいテーマを持つこと。次にそのビジョンを実現してくれる才能豊かなスタッフを雇って、彼らをインスパイアする環境を作ること。それが僕の役目だ。と同時に製作に関わる人々を監督し、彼らの創造性を引き出す努力を続ける。僕のビジョンの実現には全員の力が必要だし、誰もが創作に寄与しているという気分になってもらうことも大事だね。最後に全員が力を注いだ素材を編集して、僕のコンセプトに沿った作品を完成させる。

ファッション対映画

GQ 技術面に関しては?ファッションと映画はかけ離れているように思えますが。

TF もちろん技術面では大きな差がある。でも僕はファッション・デザイナーとしても長時間、撮影現場で時間を費やしている。だから照明についても写真についても深く理解している。ファッション・デザイナーはコレクションや写真、イメージを通じてストーリーを語っているわけだから、僕にとってはファッションと映画には多くの共通点があるね。

GQ この映画であなたが伝えたかったことを教えてください。

TF 僕はオールドスクールな男で、物語にはモラルがあるべきだと思っている。映画を観た人が何かを学べる映画を作りたいんだ。この映画のメインテーマは、「友人を簡単に切り捨ててはいけない」ということ。生涯の友やソウルメイト、もしくはかけがえのない存在に出会ったら、絶対に手放してはいけない。この考えは昨今の使い捨て文化へのアンチでもあると思う。結婚生活がうまくいかないからといって離婚するとか、仕事が気に入らないから転職するとか。今どきの人々には忠誠心ってものがないよ。

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