『野村證券第2事業法人部』を読んで
昨年の秋まで野村證券の社員だったきはるです。
突然ですが、今年2月に発売された『野村證券第2事業法人部』という本を知っていますか?
野村マンのクレイジーな伝説を全公開した、大ヒット作です!!
著者は横尾宣政さん。『バブル期の野村證券で一番稼いだ男』と言われている人です。
この本にはバブル期の野村證券の悪行が赤裸々に書いてあります。
まるで軍隊かヤクザです・・(笑)
当時の野村證券はパワハラが日常で、また、ノルマのためならお客様を騙す社員が何人もいる最悪の会社だったことがわかります。
昔の野村證券は本当にひどかったんでしょうね。
その事実があり、現在でもネットではボロクソ書かれています。
- 殴る蹴るのパワハラがある
- 終電帰り5時出社
- 内定を断るとカレーをかけられる
- 黒髪オールバックの先頭民族
- ヤムチャくらいなら左手で倒せる
もはや人間としての扱いではない/(^o^)\
この様なコメントを書く人のほとんどが野村證券に勤めてない人で、どこからか聞いた話を誇張してるだけでしょう。
事実、私は野村證券に勤めておりましたが、野村證券はここまで劣悪な環境ではありません。ネットに書かれている8割は嘘と思ってください。
そもそも給料と福利厚生が良いからブラック企業の定義に当てはまりません。
では、パワハラや労働時間について現状はどうなっているか。
2017年時点の野村證券の現状を説明します。
野村證券はもうブラックではない
ここ数年で野村證券は変化しています。
もちろん良い方向にです。
大きく違うのは「詰める文化」と「残業」についてです。
詰める文化
「詰める」とは、「厳しく説教する」という意味です。
野村證券はネットでは『ノルマ証券』と言われており、営業のノルマが達成できないと激しく詰められると噂されています。
『野村證券第2事業法人部』では、詰める際の暴力は日常茶飯事と書いてありました。
確かに数年前までは、「殴る」「四季報を投げる」「コピー機を投げる」などあったという噂を私も聞いたことがあります。
そして、コピー機を投げた上司に「壊れただろうが!!」と詰められるという話も^^;
そして現在は、その様な詰め方をする人はほとんどいません。
少なくても私はそんな目にあっていません 。
それは、ここ数年でパワハラが厳しく罰せられるようになったからです。
暴力が無かったとしても、パワハラはすぐ問題になるようになりました。
数字ができる人も同様です。優秀な成績でもパワハラによって部署異動させられて出世コースから外れたという人の話をよく聞きます。
なので、必要以上に詰める文化は極端に減ったと思います。
色々な社員がいますが、ちゃんとした指導する社員が大半です。
残業について
野村證券は、2チャンネルなどに「毎日終電帰り」と書かれることがあります。
しかし、もちろんこれは 大嘘 。
そもそも金融機関だから15時に窓口は閉まります。
また、お客様に深夜営業するなど許されない時代です。
野村證券は、ここ数年で遅くまで会社に残ることが全くできなくなりました。
3年前に私が新人だった頃は、平均して21:00退社でした。
しかし、今は17:30~19:00には帰れることが多いようです。
変わったきっかけが2つあります。
①コスト改善の声が強い
年末にこの様な記事がブルームバーグから出ておりました。
社長インタビューですが、経営が安定してない野村證券はコストカットに動いております。無駄な会議を抑制したり、必要無いオペレーションは廃止したりするようです。
私が勤めていた2016年の秋時点でも、「仕事終わらせて早く帰れ!」とよく言われていました。
②社会が過重労働を許さなくなった
電通の女の子が自殺したあの事件。
私が退職した後ですが、野村證券にも大きな影響がありました。
もともと言われていた早帰りが、さらに強いトーンになったようです。
ゴリゴリの体育会系企業も少しずつ変わっているようです。
以上2つのことがきっかけに残業をする文化は無くなりました。
タイムカードを早く切らされたりや、家に作業を持ち帰らされたりは聞きません。(人によってはあるのかもしれませんが)
ただ、朝は早いです。金融機関だからしょうがないですが・・。
朝の給料が出るわけではないので、そこは改善してほしいところですね。
野村證券の怖いところ
以上のように、野村證券は少しずつ変わりつつあります。
しかし、野村證券の社員数は約2万人、支店数は約160店。
あまりにも巨大すぎで、経営の声が末端まで届くとは限りません。
パワハラに近いやり方で部下を指導する人や、残業を強要する人だって未だにいるかもしれません。
会社が変わろうとしても、結局はそれぞれの社員次第。
上司や支店に恵まれなかったらかなり厳しいです。
野村證券は、支店によって雰囲気が全然違います。
「職場の空気を作るのは仕事ができる人」だからです。
そのため、自分が働く支店の空気を作っているのが「営業はできても支配的なマネジメントしかできない人」だったら地獄です。 配属される支店によって自分の人生は大きく左右されます。
例えば、野村證券のブログで一番有名なカルロスさんの以下の記事。
読んだことある人も多いと思いますが、カルロスさんがいたのは体育会系の悪いところを凝縮したような支店だったようです。
ちなみに私のいた支店は、とても良い支店でした。
支店の空気を作っていたのが20代後半の男性社員で、フレッシュな雰囲気。
いつも「若手から支店を盛り上げようぜ!」と私たちを鼓舞して下さり、悩んでいる時は親身になって話を聞いてくれました。
ネットに書かれている極端な噂は、バブルの噂を面白おかしく誇張している人か、運悪く劣悪な支店に配属された人かもしれないですね(^_^;)
野村證券に限らず、全国に支店がある企業は配属先で今後の人生が決まるのが最悪です。 就活で人事のカッコ良さに惚れて入社するパターンってありますが、そうゆう人は入社前後のギャップに気をつけたいものです。
ブラックかどうかは人に聞こう
ネットにある情報は、新しいものが常にアップデートされるわけではありません。
正しいものよりも面白いものが優先されて検索トップに残り続けます。デタラメな情報も多いです。
もちろん、火の無いところに煙は立たないのでネットの噂の100%が嘘かはわかりません。 野村證券でいうと、「客に果たし状を送る」などはあながち間違ってないですしね^^;
でも野村證券は、ここ2年ほどでかなり丸くなってきています。
カルロスさんが辞めてからも大きく変わりましたし、私が辞めてからも変わってきています。
野村證券に限らず会社のリアルな情報を聞きたいなら、その企業で現在勤めてる人に聞くのが一番いいと思います。 私も情報は逐一更新していこうと思います。
ただ、『野村證券第2事業法人部』に関しては、読み物としてはかなり楽しめます。
飛び込み営業をしてると野村證券のことをひどく言う高齢者って多いですが、その気持ちがわかります。
野村證券に入りたい学生や、野村證券に勤める人は読んでみることをおススメしますよ^^