座席固定装置の不具合原因 三重
三重県桑名市の遊園地ナガシマスパーランドを運営する長島観光開発は4日、ジェットコースター「4Dスピンコースター『嵐』」が運転中に緊急停止した原因について、ホーム(乗降口)手前にある座席固定装置の不具合で安全装置が作動したと特定した。同社は修理を終えて市に報告した。5日にも運転を再開する見通し。
同社によると、座席固定装置は全長310メートルのコースの最終エリアにあり、乗客が降りやすいよう可動式の座席を固定する働きがある。しかし当時は、装置を上下にピストン運動させる動力を生むシリンダー部分で空気漏れが起き、装置が下がったまま動かなくなっていた。空気漏れは徐々に進んだとみられ、同社は設置時の施工不良が原因とみている。
トラブルを感知した先発車両(8人乗車)が座席固定装置まで移動できずに手前で停車し、このため安全装置が作動して地上約30メートルの地点で滑降待ちしていた後続車両(7人乗車)が緊急停止した。
同社は当初、車両の位置を感知するセンサー関連の不具合を疑ったが、技術者らによる調査で座席固定装置の不具合と判明した。既に修理し、桑名市に事故報告書を提出して了承を得た。5日の開園前に点検して、改めて安全が確認されれば運転を再開する方針。
嵐は予想外の回転、揺れを売りに3月10日に国内初登場した。3日午前に緊急停止して以降、運転を休止していた。【松本宣良】