グローバル・キャッシュ・マネジメントを講義
By 桜本利幸 on 6 22, 2009
昨年のリーマンショックをきっかけに世界を襲った金融危機。
大企業でも昨年12月、年末の資金繰りに青ざめたのは記憶に新しいところ。
ここにきて、金融市場も少し、落ち着きを取り戻している。
が、IFRSや内部統制は企業の課題としていつもテーマとしてとりあげられるが、実はもう一つ、じわじわと熱を帯びだしたテーマがある。
グローバル企業であれば、生産拠点と販売拠点で当然、資金の凹凸ができる。個々の拠点で資金をマネジメントしていたのでは資金調達コストは上がるし、資金運用益は下がる。埋蔵金も多額になる。グループ全体での為替や金利リクスのコントロールも不可能だ。
よって、グループ、グルーバルで資金を一元管理するグローバル・キャッシュ・マネジメントに対するニーズが高まっている。
そんな、市場背景から、ホットな研究テーマとして
5月から担当させていただいてる、法政大学大学院での「ERP導入論」で「グローバル・キャッシュ・マネジメント」の講義を一ついれた。
グローバル・キャッシュ・マネジメントは実は、ERPの効果がもっとも大きいビジネステーマなのだ。
ERPは受注から入金そして発注から支払などキャッシュのインフローとアウトフローの情報が一元管理されている。しかも多通貨で。よって、それらの情報から資金繰りや資金移動、資金の運用調達、為替リスクのヘッジなどのキャッシュマネジメントを行うのだ。ERPにはそういった、グローバル・キャッシュ・マネジメントをつかさどる「トレジャリーー」モジュールが既に実装されている。
講義はオラクルのこのエリアの第1人者、白鳥利幸を招聘し、以下のようなアジェンダで行った。
1.企業における財務・資金管理業務の概要
2.企業グループで行われる代表的なキャッシュ・マネジメントの手法
3.オラクルのグローバルCMSソリューションのご紹介
第1章では、「コーポレート・ファイナンスとは何か?」という話から始ま り、「資金繰り」や「資金調達」
といった、企業の財務部で一般的に行われる財務・資金業務の基本的な内容を 説明した。
第2章では、「資金プーリング」や「グループ内ネッティング」といった、企 業価値を向上する方策として
近年企業グループで導入が進んでいる、代表的なキャッシュマネジメントの手 法を紹介した。
第3章では、1章・2章で紹介した財務・資金管理業務とグローバル・キャッ シュマネジメントを同時に
実現する、オラクルのグローバルCMSをデモンストレーションを交えて紹介し た。
おそらく、大学院の講義でシステムの側面からグローバル・キャッシュ・マネジメントを取り上げたのは初めてだろう。
講義後、「難しかった」と受講生からは言われたが、少なくともERPを高度利用する一つのシナリオとしてイメージはつかんでいただけたと思う。
金融用語が連発するとっつきにくい分野ではあるが、日本企業はユーロやドルを機能通貨とする欧米企業よりはるかにマイナー通貨を含む為替の取組みが複雑だ。
日本企業でワールドワイドの資金決済システムと繋ぎインハウスバンキングの機能まで行っているのはパナソニックさまだけかもしれない。
今後、いっそうのソリューションの理解と普及が望まれる分野である。