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あの芸能人は本当にゴリ押しされているのか

東洋経済オンライン 4/4(火) 6:00配信

不可抗力のゴリ押しはある

 取材をしていてよく感じるのは、「各局のプロデューサーが、似たようなことを言っているな」ということ。たとえば、「彼は光るものがあるから、ぜひ使いたい」「彼女は会ってすぐに出てほしいと思った」などと言うのです。先述したように芸能関係者はタレントの才能に気づきやすく、「オファーをするかどうか」の感覚が似通っているもの。また、制作現場では「あの子はすごいらしいよ」などの話が飛び交っているという背景もあります。

 各局の番組やCM関係者などがそれぞれオファーを出し、「結果的にゴリ押しのような状態になった」というタレントは、一般の人々が思っている以上に多く、最近は広瀬すずさんにこのような状態が起きています。

 広瀬さんはさておき、このような状況は芸能事務所から見たら「痛しかゆし」の状態。特に10~20代前半の女性タレントは、「本当はじっくり育てたかったけど、思ったより反響がすごかったので、現場で育てる方針に変えた」というケースは少なくありません。プロデューサーとしては、「見るからに輝いているんだから、今のうちから使って育てるべき」という考え方であり、みなさんには「制作現場の意向による不可抗力のゴリ押しがある」ことも覚えておいてほしいところです。

■ゴリ押しタレントは1人もいない

 最後に挙げたいのは、一般の人々の事情。「急激に売れたタレントを見る」「好きな番組で何度も見掛ける」とゴリ押しと言いたくなる気持ちはあるでしょう。また、ネット上のゴリ押しという書き込みを見ているうちに、「そうなのかも」と思いはじめる人もいます。

 しかし、ほとんどのタレントが一般の人々が知らないところで、下積みを経験し、頭を下げ続け、入念な準備を重ね、激務とプレッシャーに耐えているのも事実。確かに「プロなら当然」「あれこれ言われる職業」ではありますが、タレントたちは一般の人々が思っているよりも努力を重ねていて、「この人はすごい」と言われる人と「ゴリ押し」と言われる人の差は思っているほどないものです。ついバッシングしたくなったときは、そんなタレントの姿を頭に浮かべてみてはいかがでしょうか。

 「タレントと一般人の間に立って解説する」という私から見て、バッシングを受けて当然のゴリ押しタレントは、一人もいません。ネットの普及でタレントが身近になった今、かつてのような「本物のスター」としてリスペクトされることはないでしょう。ただ、タレントもみなさんと同じ“仕事に励むビジネスパーソン”である以上、最低限の敬意は払うべきだと思うのです。

木村 隆志

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最終更新:4/4(火) 6:00

東洋経済オンライン

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